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イチゴのハダニ防除に天敵を継続的に使用している生産者の技術評価

[要約]
イチゴのハダニ防除に天敵を継続的に使用している生産者は、天敵を使って栽培したイチゴの品質や収量は慣行防除と同等であると評価している。また、薬剤散布時期の判断が容易であることや薬剤価格について天敵未使用者より高く評価している。
[キーワード]
  イチゴ、ハダニ防除、天敵、技術評価
[担当]宮城県農業・園芸総合研究所・情報経営部経営チ−ム
[連絡先]電話022-383-8119、電子メールmarc-kk@pref.miyagi.jp
[区分]東北農業・経営
[分類]行政・参考

[背景・ねらい]
減農薬栽培の一手法として、イチゴ栽培においても生物農薬(天敵等)が導入されている。
しかし、イチゴのハダニ防除に天敵を使用した場合の収量・品質・防除効果が明確になっておらず、生産者が天敵を導入する際の指針がない。
そこで、イチゴのハダニ防除に天敵を継続して使用している生産者の収量・品質・ハダニの防除効果の評価を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. 調査方法等(郵送アンケ−ト調査)
調査対象: (1)県内イチゴ栽培に天敵を使用している生産者(回答19戸)
(2)A地域農業改良普及センタ−管内イチゴ農家(回答106戸)
生物農薬(天敵)名: チリカブリダニ
2. イチゴ生産者の減農薬栽培導入条件等
1) イチゴ生産者は、減農薬栽培の導入条件として収量と品質の安定生産技術を重要視している(図1)。
2) イチゴの害虫被害では、天敵使用者・未使用者ともにハダニの被害を第1位にあげている(表1)。
3. 天敵を継続的に使用している生産者の技術評価
1) 収量と品質についての評価
収量は、回答のあった人すべてが天敵導入後も「慣行と同等」と答えている。
品質は、回答のあった人すべてが慣行と同程度かそれ以上と評価している(図2)。
2) 防除効果に対する評価
防除効果では、薬剤散布時期の判断が容易であることや薬剤価格で天敵使用者は未使用者より評価が高い(表2)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 生産者がイチゴのハダニ防除に天敵を導入する場合、動機づけの資料となる。
2. イチゴ害虫被害の現状については、宮城県の11〜6月取り(夜冷促成および促成)作型の実態調査による。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 主要野菜高付加価値生産技術体系の確立
予算区分: 国・県(地域基幹)
研究期間: 2002年度(2001〜2002年度)
研究担当者: 大泉眞由美・小池 修・長田幸浩
発表論文等: 平成14年度普及に移す技術(参考資料)に提出予定。