1. |
水稲直播栽培を実施している経営における直播栽培面積は、平成8年は60a以下が中心であったが、平成14年では1ha以上が多くなっている(図1)。また、栽培者の経験年数も長くなり(表2)、直播栽培の経営内定着が進んでいる。 |
2. |
播種方式は背負動散利用の散播から条播・点播方式へ変化した(表3)。移植と比較した経費が「減った」という割合が小さくなるとともに、「変わらない」とする割合が大きくなった。この要因には播種機の新規購入等が考えられる。 |
3. |
直播栽培の収量は(図2)、10a当たり450kg以下の層が少なくなり、500〜550kgの層が増加している。移植栽培の平均収量は、平成8年が596kg、14年が594kgであることから、直播栽培の収量は移植栽培並に近づいている。同時に、期待する収量も、「移植栽培と比較して30kg未満の減少」とする回答が中心的になり、移植栽培並みに近づいている。このことで、収量に関する問題点の重みは小さくなる一方で、雑草や鳥害が栽培上の中心的な問題点へと変化した。 |
4. |
直播栽培の導入や定着の支援においては、雑草及び鳥害対策を中心とした生産技術の底上げのための指導や、収量安定につながる播種機購入にあわせて、共同利用や受委託の促進等による生産コスト低減を促すソフト的支援がより重要性を増すと考えられる。 |