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代かき同時土中点播機の播種ロール改良による寒冷地直播水稲の苗立数確保

[要約]
市販の打込み式代かき同時土中点播機に搭載されている播種ロールのセル寸法を拡大して1株播種粒数を増加することで、寒冷地北部における適正苗立数の確保が可能になる。
[キーワード]
  水稲湛水直播、打込み式代かき同時土中点播、播種ロール、播種粒数、苗立数、寒冷地北部
[担当]青森農試・栽培部
[連絡先]電話0172-52-4396、電子メールtomohiro_nozawa@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
寒冷地北部における水稲湛水直播栽培では、苗立率が暖地に比べて低いために、市販の打込み式代かき同時土中点播機に搭載されている播種ロールでは適正苗立数が得られず、収量の向上と安定化が困難である。作業能率を考慮すると栽植株数の増加による苗立数の確保には限界があるため、播種ロールのセル寸法を拡大して1株播種粒数を増加させることにより適正苗立数を確保し、生育の安定化と収量の向上を図る。
[成果の内容・特徴]
 
1. 代かき同時土中点播機の播種ロールに、図1に示したようなセル開口部を削り取る加工を施す改良を行う。開口部寸法は長さ16mm×幅21mmとするが、底部及びセル深さは変更しない。
2. 改良した播種ロールを使用すると、2倍重カルパーコーティング種子で1株13粒の播種粒数が確保できる(表1)。
3. 青森県における株当たり適正苗立数は6〜8本程度である(図2)。
4. 改良した播種ロールを使用すると、通常の苗立率の変動内で、適正苗立数の確保が可能になる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 寒冷地北部における水稲直播栽培の生育安定化と収量向上に寄与する。
2. 本成果の改良播種ロールは、厚まき播種ロールをカッターナイフを用いて加工したものである。
3. 播種ロールの加工に起因するトラブル等は、使用者の責任であることに留意する。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 点播間隔・形状と初期生育の安定化、代かき同時土中点播直播の現地実証
予算区分: 国庫・地域基幹(北部水稲)
研究期間: 1999〜2002年度
研究担当者: 野沢智裕、境谷栄二、菊池晴志