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ほうれんそう調製・計量・包装体系の作業特性と省力効果

[要約]
ほうれんそう計量・包装機は計量・包装が一工程で能率的に行える。ほうれんそう調製機と組み合わせることにより、調製・計量・包装作業が省力化され、2人組での作業も可能である。
[キーワード]
  ほうれんそう、計量・包装機、調製機、省力化
[担当]岩手農研セ・県北農業研究所・営農技術研究室
[連絡先]電話0195-47-1072、電子メールCE0008@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・作業技術、東北農業・野菜花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
ほうれんそうの調製作業は、作業全体に占める割合が高いことから、根切り、下葉の除去が可能なほうれんそう調製機の導入が進んでいる。また、規模の大きな農家では高性能の包装機の導入もみられている。しかし、計量については依然として手作業で行われており、より一層の効率化が求められている。そこで、ほうれんそうの計量及び包装作業を一工程で行うことのできる機械の開発研究を平成12年度から生研機構、メーカーと共同で行ってきた。
[成果の内容・特徴]
 
1. 計量・包装機の概要
ほうれんそう計量・包装機は、計量部とフィルムで包装する包装部で構成される。人力で計量部にほうれんそうを供給し、供給した量が予め設定した範囲になれば自動的に包装作業が行われる。機体の全長と全幅がそれぞれ約1.9m、0.9mとコンパクトで設置に場所をとらない(図1)。
2. 作業特性と省力効果
(1) 計量部は、表示値と実測値との差が5g以下で、実用上十分な精度である(表1)。
(2) ほうれんそう計量・包装機の作業能率は116袋/h・人で、秤による計量後に包装機を利用する場合と比べると、作業能率は約1.2倍である(表1)。
(3) ほうれんそう調製機と組み合わせて、根切り、下葉取り、計量・包装の一連の作業を4人組で行った場合の作業能率は、完全手作業の約2倍である。また、調製機と包装機を用い計量のみ秤による手作業で4人組で行った場合と比較すると、作業能率は約1.5倍である(表2、具体的な配置は図2参照)。
(4) ほうれんそう調製機と組み合わせると、調製機への供給1人、再調製及び計量・包装機への投入1人の2人組の作業も可能である。この場合は、調製機と包装機を用い計量のみ秤による手作業で3人組で行った場合と比較すると、作業能率は約1.5倍である(表2、具体的な配置は図2参照)。
(5) 労働時間減少分で規模拡大する場合33%の面積増加が見込め、労働時間減少分を余剰労賃に換算し、ほうれんそう調製機、計量・包装機の減価償却費に充てる場合、延べ127aが利用規模の下限面積となる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. ほうれんそう調製機の利用法に関しては「No.15東北農業研究成果情報(1999年度)P225」を参照する。
2. 利用形態や人員配置により経済性が大きく変動することから、導入に当たっては十分な検討が必要である。
3. 本機は平成15年2月に市販される予定である。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: ほうれんそう収穫機械の開発改良(平成10〜14、民間委託)
予算区分: 県、他
研究期間: 2001〜2002年度
研究担当者: 高橋昭喜、大里達朗