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冠水は、7月13日には退水し、葉身のロール症状及び葉枯現象が7月15日頃から見え始めた。葉枯現象は、葉色が濃く(窒素濃度高い)生育量の大きい圃場や日陰等生育の遅れている圃場で顕著に見られた(図1、表1)。 |
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葉枯した茎の一部は完全枯死したが、多くは被害茎基部からの分げつ芽の再生により、茎数の回復が見られた。しかし、再生した分げつ芽の有効化による遅延及び冠水による直接的な生育遅延の影響で、出穂は一般圃場より1〜2週間程遅れ、その傾向は葉枯程度が大きいほど顕著であった(表2)。 |
| 3. |
冠水を受けた水稲のほとんどで黄化萎縮病による異常穂(奇形穂、出穂不能茎等)の発生が確認された(図2)。
葉枯による直接的な茎数の減少と黄化萎縮病による異常穂の発生により、正常な穂数は葉枯程度が大きいほど減少した(図2、表2)。 |
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収量は、穂数の減少及び遅延穂の登熟不良により、葉枯程度が大きいほど低下した(図3)。葉枯程度10〜30%で収量は一度大きく低下するが、葉枯程度30〜60%の範囲での収量低下の程度は緩やかであり、70%以上の葉枯程度では減収程度が著しい傾向があった。 |
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葉枯程度が大きいほど、登熟が不十分な遅延穂が多く、青未熟・その他未熟粒などの混入が多くなり、品質が低下し、検査等級は2等、規格外に格付けされるものも見られた(表2)。 |