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寒冷地における代かき同時打ち込み式湛水点播直播の播種量

[要約]
寒冷地における、代かき同時打ち込み式湛水点播直播栽培では、苗立ち率がおおむね60〜70%であるため、播種量は乾籾で5kg/10a必要である。この場合、苗立ち本数は100〜120本/m2程度となり、収量は480〜500kg/10aを確保できる。
[キーワード]
  水稲湛水直播、打ち込み点播、播種量
[担当]岩手県農研セ・農産部・水田作研究室、生産工学研究室
[連絡先]電話0197-68-4412、電子メールCE0008@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・水稲
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
寒冷地における水稲湛水直播栽培では、暖地に比べて苗立ち率が劣るため、播種量を多めに確保する必要がある。代かき同時打ち込み式点播機での播種量は通常3〜4kg/10aと少ない。そこで、岩手県における代かき同時打ち込み式点播機を用いた水稲直播栽培で、収量を確保するための播種量について検討した。
[成果の内容・特徴]
 
1. 代かき同時打ち込み式湛水点播直播栽培で、収量480〜500kg/10aを確保するためには、苗立ち本数は100〜120本/m2程度必要である(図1)。また、苗立ち本数100〜120本/m2程度で、400本/m2程度の穂数の確保が可能となる(図2)。
2. 寒冷地においては、代かき同時打ち込み式湛水点播直播栽培での苗立ち率は、平均でおおむね60〜70%であることから、苗立ち本数100〜120本/m2程度確保するためには、播種量は乾籾で5kg/10a程度必要である(図3)。
3. 播種量5kgを目標とした場合、株間はおおむね17〜18cm程度である(図4)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 播種後は出芽始めまで、おおむね7〜14日間落水状態で管理することを基本とする。
2. カルパー粉衣量は乾籾の2倍重量を基本とし、基肥窒素施肥量は移植慣行施肥の80%程度を目安とする。
3. 岩手県における調査結果を基にとりまとめたものである。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 北上川流域地帯における水稲湛水点播直播栽培技術の確立
予算区分: 国庫
研究期間: 1999〜2002年度
研究担当者: 吉田宏、八重樫耕一、尾形茂、高橋政夫、高橋修