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平成14年度
水稲は出穂後10〜15日の高温により白未熟粒の発生が増加する
[要約]
白未熟粒の発生は登熟前半の高温により多くなり、その影響が最も高い時期は出穂後10〜15日である。同時にこの時期の高温により玄米千粒重は低下し、玄米タンパク質含有率は増加する。
[キーワード]
水稲、高温登熟、白未熟粒、乳白粒、心白粒、背白粒
[担当]福島農試・会津地域研究支場・水稲畑作研究室
[連絡先]電話0242-82-4417、電子メール
matsumoto_yasushi_01@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・水稲
[分類]科学・参考
[背景・ねらい]
夏季の高温、多照は多収になる反面、高温登熟により玄米品質が著しく低下する。登熟期前半の高温が心白粒・乳白粒等の白未熟粒の発生に関与することは知られているが、発生する時期、温度が不明である。そこで、登熟期前半の出穂後5〜20日の高温と白未熟粒の発生について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1.
心白粒・乳白粒は、主に出穂後10〜15日の高温により発生し、平均気温26℃を超えると急激に増加する(
図1
)。
2.
背白粒は、主に出穂後15〜20日の高温で多発する(
図2
)。
3.
出穂後10〜15日の高温は、白未熟粒の発生を助長し、玄米千粒重を低下させ、玄米タンパク質含有率を増加させる(
図3
、
4
)。
[成果の活用面・留意点]
1.
出穂後が高温に経過した場合の白未熟粒のリスクを時期別に推定できる。
2.
出穂前30日頃、水稲をポットに株上げし、温度勾配チャンバーを用いて得られた結果であり、制限された根系のもとでほ場条件よりも根の周囲の地温が高い状態で登熟した水稲に対する成果である。
3.
主に昼間の高温の影響を評価したものである。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:
会津地域の登熟期の高温気象下における良食味・高品質米の生産改善技術の確立
予算区分:
県単
研究期間:
2001〜2002年度
研究担当者:
松本靖、齋藤弘文