研究所トップ研究成果情報平成14年度

農業立地を評価する東北地域地形情報データベース

[要約]
50mメッシュのディジタル標高データに基づいて東北地域の11の主題図を作成し、衛星画像、2万5千分の1地形図のデジタルマップと併せて総合的な地形情報データベースとして構築した。これらの地形情報の検索や演算によって、農業立地の評価を行なうことができる。
[キーワード]
  地形情報、農業立地、主題図、東北地域
[担当]岩手大学工学部情報システム工学科・知能システム学講座,東北農研・地域基盤研究部・連携研究第1チーム
[連絡先]電話0196-643-3408、電子メールkanda@affrc.go.jp
[区分]東北農業・水稲
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
近年、50mメッシュのディジタル標高データが整備され、また情報技術の発達により、これらに基づいた新しい地形情報の作成が可能になった。また、地形情報は地域気象、農業にとって重要な情報である。
そこで、各種のディジタル地形情報を総合的に収納して、東北地方の農業立地の評価を行なうためのデータベースを構築する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 東北6県の50mメッシュのディジタル標高データから演算により、a:標高図、b:斜度図(図1)、c:斜向図、d:地上開度図、e:地下開度図、f:水系図、g:4次水系の集水域図、h:天空斜度図、i:天空斜向図、j:天空面積図、k:晴天日射量分布図を作成した(図2)。
2. 作成した11の主題図およびl:ランドサット衛星画像、m:2万5千分の1地形図のデジタルマップ(部分)を総合的に収納して地形情報データベースとした(図2)。
3. このデータベースを用いると、農林業などに関する様々な情報を定量的に処理するための地形情報データの検索や演算を容易に行なうことができる。例えば、a:標高図を図3の規則で作図すると図4となる。この図からは風向きによって、どの地帯にやませ風が入りやすいかがひと目でわかる。従って,やませ風が南東からの場合は宮城県大崎地方にまで,東および南東から強く吹く場合は山形県最上地方にまで,冷風が入り込む可能性がある(図4)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. このデータベースの情報は農林業における様々な現地調査や現地試験のデータのより詳細な地形学的解析に役立つ。
2. この情報はパソコンのARC/INFO上に約10ギガバイトのデータベースとして構築していて、ArcGISで容易に利用することができる。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 東北地方の農業立地評価のための地形データベースの構築
課題ID: 05-08-01-01-02-01
予算区分: 委託プロ「データーベース・モデル協調システムの開発」(22001)
研究期間: 2001〜2003年(2002年度完了)
研究担当者: 千葉史・Prima Oky Dicky A.・横山隆三(岩大工学部)・神田英司(東北農研)
発表論文等: 佐藤伸吾・千葉史・横山隆三(2001):6S codeとディジタル標高モデルを用いた日射量分布図の作成.第31回日本リモートセンシング学会学術講演会論文集.289-292.