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イネいもち病真性抵抗性遺伝子Piiに連鎖するDNAマーカーの作出

[要約]
イネいもち病真性抵抗性遺伝子Piiに連鎖するDNAマーカーを作成し、PCR法で検出できるようにした。
[キーワード]
  イネいもち病、真性抵抗性遺伝子、DNAマーカー
[担当]岩手農研・農産部・応用生物工学研究室
[連絡先]電話0197-68-4414
[区分]東北農業・生物工学
[分類]科学・普及

[背景・ねらい]
検定に労力のかかる農業上重要な形質と関連したDNAマーカーを検出し、優良形質の選抜の効率化を図る。これまで、水稲の重要病害であるいもち病の真性抵抗性遺伝子Pikに関連するDNAマーカーを作出しており、さらにPii遺伝子に連鎖するDNAマーカーを作出する。
[成果の内容・特徴]
 
1. Pii品種でのみバンドが出現するAFLPマーカーについて、Mse-CCGプライマーとEcoRI-AAプライマーでPCR増幅を行い、クローニングした143bpの断片より、プライマーの設定を行ったものである(表1)。
2. 得られた断片の塩基配列から設定(STS化)したプライマー(表2)を用いて、葉いもち検定基準品種についてPCRを行うと、Pii遺伝子を持つ品種でのみバンドが検出される(表3図1)。
3. イネいもち病真性抵抗性遺伝子を複数持つものを含め、42品種・系統を材料にSTSマーカーで検定を行うと、41品種・系統で公表遺伝子型と適合する(表4)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. イネいもち病真性抵抗性遺伝子型を判定する場合、早期にPii遺伝子の有無を確認できる。
2. 本マーカーは、Pii遺伝子に連鎖しているものと推定されるが、遺伝子とマーカー間で組み換えが起きている場合は遺伝子型と適合しない場合もある。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: DNAマーカー利用による稲優良形質の探索及び選抜方法の確立
予算区分: 県単
研究機関: 1997〜2002年度
研究担当者: 安ヶ平紀子、多田徹、仲谷房治、阿部潤