| 1. |
0.5〜0.8mmの茎頂を培地に置床して4カ月培養する(図1)。茎葉が伸長した個体を増殖培地に移植し、2カ月培養すると複数の芽が形成する(図2)。2カ月毎に1芽に分割し、同一培地への移植を繰り返す。移植毎の増殖倍率は約3倍であり、順化必要数を確保する。順化後の生育を良好にするため、1芽ずつに分割し順化前培地で1.5〜2カ月培養する。 |
| 2. |
順化は2週間かけて徐々に湿度を下げて行う。順化した原々苗は、5月下旬に汚染土壌から隔離するためプランターなどに移植して養成する(図3)。養成した株は、翌年3月に掘り取り調整し原苗とする。1株より10〜20本の苗が得られる。原苗の一部は再度プランターに移植して増殖用株として利用する。 |
| 3. |
原苗は圃場に定植し、1〜2年間株養成した後、種株として利用する。1年養成で1株より10〜20本の苗が得られる。 |
| 4. |
定植3、4年目の培養株の花蕾収量は、在来株より10〜20%高い(図4)。また、4カ年の栽培では、培養変異が認められない。 |
| 5. |
培地及び培養条件は以下のとおりである。
茎頂培養:B5培地、0.2mg/l NAA、1mg/l BA、30g/lショ糖、pH5.8、2g/lゲランガム
増殖培養:MS培地、0.2mg/l NAA、7mg/l BA、30g/lショ糖、pH5.8、2g/lゲランガム
順化前培養:MS培地、0.2mg/l NAA、30g/lショ糖、pH5.8、2g/lゲランガム
培養条件:25℃、1,000〜3,000 lux、16時間照明 |