| [背景・ねらい] |
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山形園試で保存しているセイヨウナシの遺伝資源について、SSRマーカーを利用して品種識別、親子鑑定を行う。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
山形園試で保存しているセイヨウナシ品種19品種では(図1、図2)、SSRプライマー4種類以上の遺伝子型の差異により品種を識別することができる。 |
| 2. |
SSR分析を行うことにより、「エル・ドラド」、「シルバーベル」、「ミクルマス・ネリス」、「ル・レクチエ」の交雑親の親子関係について矛盾の有無を推定できる(表1)。 |
| 3. |
交雑親不詳の品種「マルゲリット・マリーラ」については「バートレット」が、「ドワイエネ・デュ・コミス」については「ウィンター・ネリス」が交雑親である可能性がある(表1)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
流通している果実の品種識別が可能となり、誤った品種表示を防止することができる。 |
| 2. |
効率的にセイヨウナシ育種を行うための手段の一つとして、SSR分析を育成系統の交雑親の推定などに利用することが可能である。 |
| 3. |
分析に用いたSSRマーカーは、ニホンナシあるいはセイヨウナシ由来のものであり、果樹研で開発されたものである。 |
| 4. |
枝変わりで生じた品種の場合、親品種と区別するのは困難である。 |
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