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発酵鶏糞主体の有機配合肥料による水稲減化学肥料栽培に対応した施肥法

[要約]
県内産発酵鶏糞を主体とした有機質由来窒素50%配合肥料により水稲の50%減化学肥料栽培ができ、同じく有機質由来窒素100%配合肥料により水稲無化学肥料栽培ができる。
[キーワード]
  水稲、発酵鶏糞、減化学肥料
[担当]岩手農研セ・生産環境部・土壌作物栄養研究室
[連絡先]電話0197-68-4423、電子メールCE0008@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
本県では、特別栽培農産物の生産量が多いが、そのほとんどが減農薬栽培で占められている。しかし、新しいガイドラインでは減〜無農薬及び減〜無化学肥料栽培で生産された農産物のみが特別栽培農産物として表示可能となる。
減化学肥料栽培における化学肥料代替資材として家畜ふんたい肥の利用があげられる。鶏糞は、化学肥料に近い肥効を持つことから最も導入しやすいと考えられる。そこで、県内産の鶏糞を広域流通しやすい形態への加工・製品化した有機配合肥料での水稲減化学肥料栽培法を提案する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 有機質由来窒素50%配合肥料の施肥法
(1) 施肥は「基肥+追肥」、または、「基肥全量」で行い、施肥窒素量は慣行と同量施用すると、慣行対比約90〜100%の収量を得ることができる。(表2図1
(2) 施肥量(kg/10a)の例
2. 有機質由来窒素100%配合肥料の施肥法
(1) 施肥は「基肥全量」で行い、施肥窒素量は慣行と同量施用すると、慣行対比約90〜110%の収量を得ることができる。
(2) 施肥量(kg/10a)の例
3. 資材とも検査等級、精白米タンパク質含量は、慣行並である。
4. 平成13年までの供試肥料と平成14年の供試肥料では原材料が異なるが、同傾向の生育・収量結果を示したので、同資材扱いとする。(表1図1
[成果の活用面・留意点]
 
1. 本成果は「ひとめぼれ」、「かけはし」、「あきたこまち」に適用する。(表2)
2. 本成果は、グライ台地土、褐色低地土、多湿黒ボク土、灰色低地土に適用する。(表2)
3. 窒素成分量はN50%配合肥料で8.0%〜8.4%、N100%配合肥料で6.0%〜6.3%の変動がある。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 新肥料の実用化
予算区分: 民間委託
研究期間: 1999〜2002年度
研究担当者: 小田島ルミ子、高橋正樹、高橋好範、小野剛志(岩手農研セ)、くみあい肥料(株)