| [背景・ねらい] |
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いもち病罹病苗の移植(持ち込み)が本田初発に及ぼす影響を明らかにするため、異なる遺伝子型のいもち病菌を接種した苗を時期を変えて本田に移植し、その後の接種病斑および新病斑の消長、新病斑から分離されるいもち病菌の遺伝子型を調査する。また、接種した苗を本田に移植することで持ち込みの状況を作り出し、持ち込みが伝染源である場合に有効な防除法を検討する。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
罹病苗の移植は、移植時期の早晩に関わらず伝染源となる。初発時期は各移植時期ともほぼ同じであり、その際の初期発生量に差は認められない。また、持ち込みがない場合に比べ初発時期は早期化し、その後の発生量は明らかに増加する(表1、2、図1)。 |
| 2. |
持ち込みに対する箱施用剤の効果は高く、特に播種時処理では接種した病斑すら確認されない場合がある(表3)。箱施用剤の播種時処理では、他の区に比べ初発時期が大幅に遅れ、初発時において、それ以前の世代の病斑は一切確認されない(表4)。 |
| 3. |
持ち込みが伝染源である場合、プロベナゾール粒剤水面施用の効果は、初期発生を抑制するには不十分である(表4)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
持ち込み阻止対策として、種子からの体系防除を徹底すると共に、育苗施設衛生に努めることが基本となる。 |
| 2. |
プロベナゾール粒剤による航空防除地帯において、持ち込みによる早期多発ほ場からの周辺水田への病勢進展が確認されている。 |
| 3. |
現在、播種時処理等の育苗期防除に登録のある箱施用剤は、カルプロパミド箱粒剤(播種時〜移植当日50g/箱)、ジクロシメット箱粒剤(床土混和、覆土混和、播種時処理〜移植当日50g/箱)、プロベナゾール箱粒剤(緑化期〜移植当日50g/10a)等である。 |
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