| [背景・ねらい] |
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2000年のダイズの生育後半に、ジャガイモヒゲナガアブラムシが多発し、吸汁加害により品質、収量に大きな影響を及ばしたが、このような発生は極めて希な現象であり、詳細な知見は少ない。そこで、ダイズにおける後期多発型の発生消長を調査するとともに土着天敵である寄生蜂の働きを明らかにする。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
東北地方のダイズで多発し吸汁害を発生させているジャガイモヒゲナガアブラムシの発生消長は、6月に小さな発生のピークを示し、8月以降に大きな発生のピークを示す後期多発型の2山型発生をする(図1、2)。 |
| 2. |
6月の発生時期の後半には、寄生蜂による寄生率が極めて高くなり、ジャガイモヒゲナガアブラムシの密度を抑制するのに貢献している(図1、2)。 |
| 3. |
ジャガイモヒゲナガアブラムシの1次寄生蜂の主要種は、Aphidius gifuensis(ギフアブラバチ)である(表1)。 |
| 4. |
放虫数比10%以上のギフアブラバチが、ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生数を抑制する(図3)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
ダイズのジャガイモヒゲナガアブラムシに対する土着天敵の寄生蜂の役割を評価する際の参考になる。 |
| 2. |
土着天敵のギフアブラバチの働きを増強することにより、後期多発型の発生を抑制するのに応用できる。 |
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