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クモ類の捕食が寒冷地水田内のツマグロヨコバイ密度に及ぼす影響

[要約]
水田内のクモ類は6月中旬頃から増加し、8月下旬には株当たり2〜4頭程度に達する。優占種はキバラコモリグモである。クモ類の捕食によって水田内のツマグロヨコバイの発生は抑制される。
[キーワード]
  クモ類、捕食、ツマグロヨコバイ、水田
[担当]古川農試・作物保護部
[連絡先]電話0229-26-5108、電子メールSakuhoG@pref.miyagi.jp
[区分]東北農業・生産環境(病害虫)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
寒冷地の水稲栽培において、殺虫剤の使用軽減を目的に土着天敵類の活用を図るため、クモ類の害虫捕食効果を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. 水田内のクモ類は6月中旬頃から増加し、8月下旬には株当たり2〜4頭程度に達する(図1)。
2. クモ類の種類構成は水田侵入初期からコモリグモ類の比率が高く、次いでアシナガグモ類、サラグモ類が多い(図1)。水田内で確認されたコモリグモ類のほとんどはキバラコモリグモである。
3. クモ類の侵入を抑制した場合、ツマグロヨコバイの発生は増加する。すなわち、クモ類の捕食によって、水田内のツマグロヨコバイの発生は抑制される(図23)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 水田害虫防除に活用できる土着天敵類としてクモ類の役割を評価する際の参考になる。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 水田生態系における生物機能を活用した減農薬病害虫制御技術の確立
研究期間: 1999〜2002年度
研究担当者: 小山淳、城所隆、小野亨