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プロベナゾ−ル顆粒水和剤の半量側条施用による葉いもち防除

[要約]
褐色低地土、グライ土および多湿黒ボク土水田において、プロベナゾール顆粒水和剤の通常施用量の半量(10a当たり250g)をペースト肥料と混合して施肥田植機で深さ3〜7cmに側条施用すると、葉いもちに対し高い防除効果を示し、通常施用量と差がない。
[キーワード]
  葉いもち、プロベナゾール顆粒水和剤、半量側条施用
[担当]秋田県農業試験場・生産環境部・病害担当
[連絡先]018-881-3327、電子メールt-fukaya@agri-ex.pref.akita.jp
[区分]東北農業・生産環境(病害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
秋田県ではプロベナゾール顆粒水和剤をペースト肥料と混合し、施肥田植機で側条施用する技術が1999年から導入されている。本技術は葉いもちに対し卓効を示すことから本剤の施用量を通常の半量に減じても防除効果が期待できると考え、土壌条件を異にする水田において実用性を検討する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 褐色低地土、グライ土水田においてプロベナゾール顆粒水和剤の通常の半量(10a当たり250g)をペースト肥料と混合して深さ3〜7cmに側条施用すると、いずれも葉いもちに対して高い防除効果を発揮し、本剤の通常施用量と効果に差がない(表2表3)。
2. 本剤を半量あるいは通常量を深さ3〜7cmに側条施用した減水深の大きい多湿黒ボク土水田では、減水深の小さい褐色低地度やグライ土水田よりも葉いもちの発生がやや多い。しかし、本剤施用した減水深の大きい多湿黒ボク水田ではいずれも多発条件下で防除価が95以上を示し、施用量の違いによる効果の差がない(表1表4)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. プロベナゾール顆粒水和剤の薬量が少ないと防除効果の低下が懸念されるので250g/10aを厳守する。なお、登録認可されている本剤の薬量は500g/10aである。
2. 薬剤の量が少ないので丁寧にペースト肥料と混和する。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: いもち病防除体系の再構築
予算区分: 受託(全農)
研究期間: 1999〜2001年
研究担当者: 深谷富夫・保坂 学・佐山 玲・藤井直哉
発表論文等: 平成14年度北日本病害虫研究会報第53号