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農耕地土壌の形態的特徴と生産力がひとめでわかるデータベース

[要約]
福島県内の農耕地土壌について、土壌種類ごとの分布やその形態的特徴、生産力に関する情報を容易に得ることができるデータベースを開発した。
[キーワード]
  土壌検索、土壌型、土壌生産力、データベース
[担当]福島県農業試験場・農芸化学部・土壌管理研究室
[連絡先]電話024-932-7787、電子メールnakayama_hidetaka@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・生産環境
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
土壌特性の把握は土壌生産力の維持・向上、環境保全など幅広い視点で重要である。しかし、これまで豊富な土壌情報の蓄積があるが、データが膨大である上に、多くの印刷物に分散して存在し、また専門的な知識も必要とするため、その利活用が十分なされていない。そこで、パソコンを利用し、福島県農耕地土壌について必要な情報を容易に得ることができるデータベースを開発する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 福島県内農耕地土壌(市町村別県土壌区データ、1726種類)について、各土壌型の分布市町村や分布面積、土壌断面の形態的特徴、生産力に関するデータを格納している。
2. 格納されているデータの項目は69項目(土壌統名、分布市町村名、分布面積などの基本情報9項目、土性、母材、堆積様式などの土壌形態的特徴9項目、耕耘難易、自然肥沃度などの土壌の生産力に関わる特徴51項目)で、その中の35項目を用いて検索できる(表1)。
3. 検索結果は、土壌特性とその土壌断面写真を一画面で表示される単票形式、および表計算ソフトなどへのデータの移行が可能なデータシート形式で出力することができる(図1)。
4. このデータベースを利用することにより、検索項目に当てはまる土壌種類が検索でき、それらの土壌の生産的特性や分布市町村などを知ることができる。また、それらあてはまる土壌の面積算出が可能である。
5. 格納されている土壌の生産性に関連するデータを利用し、適作物や土壌改良の方法を表示することができる。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 土壌分類の知識がなくても、簡単な情報(市町村、作土の土性、礫の出現位置、土地利用など)から当てはまる土壌を検索することができる。
2. 土壌の特徴と生産力との関わりを総合的に知ることができ、また、専門用語の説明参照機能も持つことから、指導機関の職員や生産者などが土壌について学習する際の教材的な利用も有効である。
3. このデータベースはMS-Accessで作成した。配布時にはAccessランタイムとともにパッケージ化し配布することができる。
4. 格納されているデータは地力保全基本調査のものだが、新しい情報を順次追加していく。
5. このデータベースは、データファイルの形式を統一することで他県での応用が可能である。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 土壌図の表示と土壌型検索システムの開発
予算区分: 国庫補助(土壌保全対策事業)
研究期間: 2001〜2005年度
研究担当者: 中山秀貴、菅野忠教