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エゴマ種子の添加給与による「あすなろ卵」の高付加価値化

[要約]
エゴマ種子を成鶏用配合飼料に5%添加給与によって「あすなろ卵」の卵黄中γ-トコフェロール含量は無添加飼料給与に比べ約2倍に増加する。卵黄中α-トコフェロール含量、産卵率、飼料摂取量、卵質は無添加給与と比較して差は認められない。
[キーワード]
  特産鶏卵、エゴマ種子、産卵率、卵質、ビタミンE
[担当]青森畜試・養鶏部
[連絡先]電話0178-62-3309、電子メールkatsumi_saito@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・畜産
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
消費者は、新鮮、安心・安全及び健康、美味しさなどに関して品質的に優れる鶏卵を求めている。青森県の特産鶏卵である緑色卵「あすなろ卵」については、エゴマ種子を給与することによりn-3系不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を高めた生産が行われている。エゴマ種子は他にもビタミン類の含量が比較的高いが、産卵鶏に対する給与効果はまだ明らかにされていない。そこで、本試験は、エゴマ種子の添加給与が「あすなろ卵」のビタミン類、特にビタミンE(α及びγ-トコフェロール)含量に及ぼす影響を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. エゴマ種子5%添加区の卵黄中γ-トコフェロール含量は37.3μg/gと無添加飼料区に比べ約2倍に増加する(表1)。
2. 産卵率、産卵日量、飼料摂取量、卵重、卵殻強度、卵黄色、ハウユニット及び卵黄中α-トコフェロール含量は対照区との間に有意差がない(表1)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. ビタミンEは不飽和脂肪酸の酸化を防ぐため、現行のエゴマ種子を利用した不飽和脂肪酸含量を高める鶏卵生産に有益な情報として活用できる。
2. 地域飼料資源を利用した高品質鶏卵生産の可能性が更に期待される。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 研究課題名:地域特産鶏の「国産飼料利用型養鶏」技術の確立
1)国産飼料素材による飼料給与技術の開発及び栄養成分の把握
エゴマ種子給与があすなろ卵鶏の産卵成績及び卵質に及ぼす影響
予算区分: 県単
研究期間: 2001年度
研究担当者: 有谷順子、西藤克己、下位香代子(静岡県立大)