[背景・ねらい] |
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放牧育成肥育素牛は、肥育特性が不明なことから、市場評価が低い要因の一つとなっているのが現状であり、肥育特性の解明が求められている。
そこで、放牧肥育素牛の市場評価向上を図るため、長期放牧育成(6か月齢時退牧)、短期放牧育成(4か月齢時退牧)、全期間舎飼い育成に区分して、放牧育成肥育素牛の肥育特性を検討した。 |
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[成果の内容・特徴] |
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放牧育成肥育素牛と舎飼い育成肥育素牛の肥育特性を明らかにするため、試験1として舎飼い育成区と長期放牧育成区における肥育特性の検討を、試験2として短期放牧育成区と長期放牧育成区における肥育特性の検討をした結果、次のような成果が得られた。
1. |
放牧育成肥育素牛は、別飼いを取り入れた放牧と退牧後の牧乾草と牧草サイレージ給与主体により、全期間舎飼い育成と同程度の増体で育成された子牛を用いた。 |
2. |
肥育期間中の増体は、舎飼い育成区、長期放牧育成区、短期放牧育成区とも良好であり、区間には差が認められない。肥育期間を通して、各区とも同一飼料給与量のため、放牧育成牛に代償性発育は認められていない(表1−(1)、表2−(1))。 |
3. |
去勢牛、雌牛ともに枝肉の肉量、肉質が良好であり、試験区間に差が認められない(表1−(1)、表1−(2)、表2−(1)、表2−(2))。 |
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[成果の活用面・留意点] |
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1. |
肥育経営において放牧育成素牛の導入に活用できる。 |
2. |
日増体量の低い放牧育成肥育素牛の肥育特性の検討が必要である。 |
3. |
放牧育成後の舎飼育成期間は、牧乾草および牧草サイレージを自由採食とする。 |
4. |
試験1では、肥育期間に約1.8か月間の差があるが、この原因は、BSEの食肉検査対応により、出荷時期が遅延したことによるものである。 |
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