| [背景・ねらい] |
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受精卵移植は、その受胎率の向上が問題となっているが、凍結した受精卵が融解後も凍結前の品質を維持しているかどうかは重要な課題と考えられる。そこで、電気化学顕微鏡を用いて凍結前及び融解後の呼吸量を調べ、凍結と融解後の生存性の関係を調べた。そして、呼吸量が凍結受精卵の品質評価の指標となり得るかどうかについて検討する。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
体外受精で作出した媒精後8日目の拡張胚盤胞期胚の平均呼吸量は(2.87±0.81)×10-14mol s-1である。また、融解後の呼吸量は(2.64±0.62)×10-14mol s-1である(表1)。 |
| 2. |
呼吸量を2.5×10-14mol s-1を境にして高い集団と低い集団に分けたところ、高い集団では、その後の生存率も高い傾向が見られる(表2)。 |
| 3. |
融解直後の呼吸量を測定することで、受胎率の向上が期待される。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
融解直後の呼吸量を測定することで、移植に適した受精卵を選択することが可能である。 |
| 2. |
本試験で用いた凍結手法はダイレクト法(1.5Mエチレングリコール)であり、他の手法では異なる可能性がある。 |
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