[背景・ねらい] |
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放牧場で分娩・育成した子牛は、畜舎内で育成した子牛と比べて発育が劣っているとされ、子牛セリ市場における評価が低い状況にある。本研究では放牧場産子を舎飼育成産子並に発育(去勢、300日齢時体重300kg)させるための良質粗飼料の給与技術を確立し、その後の肥育成績が舎飼育成された肥育素牛と同等であることを実証する。 |
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[成果の内容・特徴] |
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育成期(4〜10カ月齢)
1. |
300日齢時体重は1回目で305±30kg、2回目で301±50kgと目標を達成、体高も全国和牛登録協会の標準発育曲線の平均値を上回る発育となった(図1)。 |
2. |
濃厚飼料と粗飼料は約1:1の割合で採食した(表1)。 |
肥育期(10〜27カ月齢)
1. |
放牧場産子は肥育期間中の飼料摂取量が濃厚飼料で5%、粗飼料で19%上回った。また、放牧場産子は肥育過程の前半において粗飼料の摂取量が多い傾向が見られた(図2)。 |
2. |
体重は放牧場産子は20カ月齢までには舎飼産子に追いつき、出荷時まで高い増体を示した(終了時体重:放牧場産子732kg、舎飼産子697kg)(図2)。 |
3. |
枝肉成績では放牧場産子は枝肉重量で約15kg上回った。全国及び県の平均値と比較しても、肉質・肉量とも同等ないしそれ以上の成績が得られた(BMS No 5.5)(表2)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
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1. |
黒毛和種の子牛を生後4ヶ月齢まで親子放牧したのち、4頭1群の舎飼いに移し細断混合粗飼料を不断給与、濃厚飼料は体重の1.8%を制限給与する。 |
2. |
細断混合粗飼料は自家産オーチャードグラス乾草を5cm、市販ルーサン乾草を5cm、イナワラを3cmに細断し、重量比5:3:1に混合する。 |
3. |
粗飼料を細断しなかった場合、10ヶ月齢までに1頭あたり約90kgの乾草が引き込みロスとなる。細断した場合はロスは無く、敷料交換時の労力軽減が図れる。 |
4. |
育成牛にはできるだけ質の良い粗飼料を豊富に給与する。 |
5. |
ルーサン乾草を混合することで嗜好性の向上や良質な蛋白質の摂取が期待できる。 |
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