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平成14年度
そば菜の栽培技術
[要約]
そば菜の露地栽培は、5月中旬から9月中旬までの播種が可能で収穫までの日数は11〜19日である。また、このときの生育気温は平均気温15℃以上、積算気温は230℃程度以上必要であり、栽培期間中はパスライトによるトンネル被覆が望ましい。ルチン含量は葉に多く、遮光すると減少する。
[キーワード]
そば、そば菜、生育温度、被覆栽培、ルチン
[担当]青森農試・水田利用部、東北農研・品質評価研
[連絡先]電話0172-52-4311、電子メール
yoshiko_kitayama@ags.pref.aomori.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
中山間地域では、地域の農産物を特産化し、高付加価値化して販売していくことが必要がある。青森県ではそば「階上早生」が栽培されているが、近年、そばの機能性成分である「ルチン」が注目され、中でも幼植物(そばもやしやそば菜)に含まれる量が種子の100倍と多いことが知られてきた。そこで、この「階上早生」を利用してそば菜の栽培技術について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1.
そば菜は、草丈約20cm、本葉1〜3枚程度に生育したもので、はさみ等で収穫し、茎葉菜類として食する(
写真
)。
2.
露地栽培では、5月中旬〜9月中旬まで播種が可能で、収穫まで日数は11〜19日である。また、収穫までの平均気温は15℃以上、積算気温は230℃以上必要が必要である(
表1
、
図1
)。
3.
トンネル被覆することによって、収穫まで日数は無被覆より2〜6日短縮され、パスライトが適する。ただし、5月中旬播種ではポリ被覆の効果が高い(
表1
)。
4.
ルチン含量は茎よりも葉に多く、遮光すると減少する(
図2
・
3
)。
また、そば菜中のルチン含量は軽くゆでる程度(20秒)では減少しないが、ゆで時間が長くなると減少する(
図4
)。
[成果の活用面・留意点]
1.
施肥量は窒素0.5、りん酸1.0、加里0.5(kg/a)程度とし、は種量は70g/m
2
程度とする。
2.
耕起後日数が経過し、土壌が乾燥し固くなると、は種しにくく発芽が不揃いになるため、耕起はできるだけ当日に行う。
3.
夏季の高温時には、播種後灌水し、発芽を確認するまで乾かないようにする。
4.
播種深度は約1cmとし、できるだけ均一になるようにする。
5.
無被覆栽培では、ハト等による鳥害や、降雨による葉の泥汚れが見られるので注意する。
6.
草丈が20cm以上に伸びたら、茎の固さをみて上部を収穫する。
7.
収穫物はMA包装資材に入れるのが望ましい。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:
中山間地域における産地マーケティングに基づく特産的高付加価値農産物生産技術
予算区分:
地域基幹(国補)
研究期間:
2001〜2002年度
研究担当者:
北山美子、今井照規
発表論文:
なし