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イチゴ「さちのか」、「とちおとめ」のセル成型苗利用技術

[要約]
普通促成栽培におけるイチゴ「さちのか」のセルトレイ育苗では35穴セルトレイを用い、育苗日数40日、窒素施用量100mg/セルとし、花芽分化後の9月10日頃の定植が適当である。「とちおとめ」では、24穴セルトレイ、育苗日数40日、窒素施用量100mg/セルとし、花芽分化直前〜分化直後の9月5日頃の定植が適当である。
[キーワード]
  イチゴ、セルトレイ、「さちのか」、「とちおとめ」、育苗日数、施肥量
[担当]宮城農園研・園芸栽培部・野菜チーム
[連絡先]電話022-383-8132、電子メールmarc-kk@pref.miyagi.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
イチゴ品種「さちのか」、「とちおとめ」のセル成型苗育苗において、育苗期間中コーティング肥料の施肥を行うことを前提に、セル容量・育苗日数・育苗時の施肥量・定植時期を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. 「さちのか」では35穴セルトレイ、育苗日数は40日程度、育苗中のコーティング肥料窒素施用量は100mg/セルが適当である(図1)。
2. 「さちのか」の定植時期は、年内収量(図2)及び頂果房出蕾までの展葉数から判断し、花芽分化直後(図4)の9月10日頃が適当である。
3. 「とちおとめ」では、24穴セルトレイ、育苗日数は40日程度、育苗時のコーティング肥料窒素施用量は100mg/セルが適当である(図1)。
4. 「とちおとめ」の定植時期は、年内及び全期収量(図3)、また頂果房出蕾までの展葉数から判断し、花芽分化直前〜分化直後(図4)の9月5日頃が適当である。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 育苗時のコーティング肥料は「ロング4-2-4M」70〜100日タイプ等が望ましい。
2. 「とちおとめ」では育苗時の極端な窒素制限は、定植後に芽無し株の発生が多くなるので注意する。
3. 「さちのか」では花芽分化前に定植すると、頂果房の開花が遅れるとともに、奇形果の発生が多くなる。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 地域特産野菜の生産拡大技術、寒冷地における野菜の施設利用の効率化と高品質、省力低コスト生産技術の確立
予算区分: 県単、国庫(新技術)
研究期間: 1999〜2001年、1998〜2000年
研究担当者: 鹿野弘、大沼康