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イチゴ養液栽培において,やし殻繊維に黒ボク土を20%混合した培地を用いると,培養液かけ流し式,循環式ともに果実収量が高くなる(表1)。 |
| 2. |
鹿沼土を混合することによって,気相率が高くなり,黒ボク土を混合することによって容積当たりの陽イオン交換容量が増加する(表1)。砂壌土と黒ボク土の混合によって透水性は低くなる傾向がある(図1)。 |
| 3. |
培養液かけ流し式,循環式の場合ともに,透水性と気相率の低い培地では果実収量が低い。培養液循環式の場合にはかけ流し式の場合よりも果実収量が減少する傾向かみられるが,黒ボク土20%混合の培地では果実収量の減少程度が小さい(表1,図1)。 |
| 4. |
黒ボク土を20%混合した培地では,やし殻繊維単体と比べて透水性,気相率が若干低下する傾向があるものの,容積当たりのCECが比較的高く(表1),循環培養液のpHが6〜6.5付近で安定して推移したこと(図2),EC,肥料成分の変動が小さいこと(データ略)などが循環式の場合に果実収量の低下が少ない要因と考えられる。 |