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アスパラガスの無加温施設での夏秋どりにおける定植時期と1年目の収量

[要約]
アスパラガスの無加温施設を利用した夏秋どりでは、定植後1年以内の収穫が可能であり、7月に播種し、9月に定植した場合には、翌年の6月〜9月までに150kg/aのA品収量が見込まれる。12月下旬に播種し、3月上旬に定植した場合は、7月〜9月までに約80kg/aのA品収量が見込まれる
[キーワード]
  アスパラガス、夏秋どり、播種時期、定植時期、無加温施設
[担当]山形県立砂丘地農業試験場・野菜花き畑作研究
[連絡先]電話0234-91-1250、電子メールsashi@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
近年、無加温施設を利用した、アスパラガスの夏秋どり作型が導入されているが、定植後1年間は株養成期間として収穫を行わないのが一般的である。施設の有効利用の観点から、定植後1年以内に収穫を行った場合の収量性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. 播種は128穴セルトレイに1粒播きとし、引き抜いても根鉢が崩れない時期(茎数2〜3本)まで育苗する。(データ略)
2. 7月に播種し、9月に定植することにより、翌年の6月中旬から収穫することが可能となり、9月下旬までに、約150kg/aのA品収量が見込まれる。(表1図1
3. 12月下旬に播種し、3月上旬に定植することにより、7月中旬から収穫することが可能となり、9月下旬までに約80kg/aのA品収量が見込まれる。(表1図2
4. 2月下旬定植では、低温の影響により、活着不良や茎の枯れ上がり等が発生し、収穫期における若茎の発生本数が少なく、A品割合も低い。(表1表2
[成果の活用面・留意点]
 
1. 有機質資材の施用により、畑の肥沃化を図る。
2. 雨除け栽培とし、かん水チューブを設置して適宜かん水し、土壌の乾燥を防止する。
3. 倒伏を防止するため、高さ70cmの位置に30cm目のフラワーネットを張り、更に上段にマイカー線を張る。
4. 播種時期は施設の利用体系に応じて選択する。
5. 栽植密度はうね幅180cm、株間30cm、条間90cm 2条植えである。
6. 立茎は秋植えでは直径8mm以上のものを3本/株、春植えでは4本/株とした。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: アスパラガスの短期株養成・周年出荷技術の確立
予算区分: 県単
研究期間: 2002〜2004年度
研究担当者: 伊藤政憲
発表論文等: なし