[背景・ねらい] |
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食の安心・安全が消費者から求められており、農産物の内部品質についても関心が高まっている。この中で、ほうれんそうの硝酸含量についても、一部量販店では硝酸含量により差別化する動きがある。そこで現場で簡単にできるほうれんそうからの硝酸の抽出方法及び、小型反射式光度計(RQフレックス)を用いた分析法の精度を検討した。 |
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[成果の内容・特徴] |
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1. |
サンプリング方法
ア |
ほうれんそう生体中の硝酸含量は個体差が大きいため、少なくとも5株以上を分析に用いる(表1)。 |
イ |
葉身と葉柄では硝酸含量が大きく異なるので株全体を分析に供する。 |
ウ |
根を株元で切り落とし、子葉、第1、第2本葉を取り除いた可食部全体を分析に供する。 |
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2. |
ミキサーによる磨砕抽出方法
ほうれんそうをミキサーに入れ、さらに蒸留水を加えて1分間攪拌して磨砕する。(表2) |
3. |
抽出液をろ過し、ろ液を小型反射式光度計(RQフレックス)を用いて定量する。
計測値は次の式による補正が必要である。(図1)
HPLC法による硝酸含量=(小型反射式光度計計測値×1.096+5.66)×(ほうれんそう重量(mg/100g)+蒸留水量)÷ほうれんそう重量÷10 |
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[成果の活用面・留意点] |
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1. |
技術指導者が、硝酸含量のハウスごとの差や、季節での変動などを簡易に分析して施肥指導が可能となる。 |
2. |
小型反射式光度計(RQフレックス)を用いた硝酸の分析では、高濃度の測定値がやや低めの値となりがちなので、測定範囲5〜225mg/リットルの試験紙を用いる場合は、ろ液の濃度が100mg/リットル以下になるように希釈するのが望ましい。 |
3. |
収穫したほうれんそうはできるだけ速やかに分析するのが望ましいが、10℃の冷蔵庫で3日間程度は硝酸含量がほとんど変化しない。この場合はビニール袋にいれ乾燥しないように注意する。(図2) |
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