移動式鶏舎による地鶏の飼育 |
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[要約] |
常に草の生えている場所に移動する鶏舎による地鶏飼育は、鶏の闘争及びつつき行動を減少させ、発育を改善し、放牧地内のリン等の土壌成分を高めるのに有効である。
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[キーワード] |
移動式鶏舎、地鶏肉、体重、土壌成分、つつき
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[背景・ねらい] |
鶏肉生産は地鶏肉の需要が高まるなか、ビニールハウスなどを利用した放し飼いが増えている。放し飼いによる発育及び食味の改善については、効果があるという報告がある反面、ないという報告もある。放飼場における草の有無が関係していると思われる。また、遊休地への放し飼いによる鶏糞の肥培効果について実証的データは見あたらない。そこで、常に草の生えている場所に容易に移動できる鶏舎を製作し、地鶏の発育、食味及び土壌成分に与える影響を明らかにする。
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[成果の内容・特徴] |
- 縦5.4m×横3.6m×高さ3.8mのビニールハウスを載せて、トラクターで移動することが可能な車輪付きの架台を製作する(写真1、2、3)。
- 移動式鶏舎の体重は10週齢以降、対照区より有意に100〜200g重くなる(表1)。
- 移動式鶏舎の闘争及びつつき行動は減少する傾向がある(表2)。
- 移動式鶏舎の鶏肉はおいしさ、歯応え及び総合評価で好まれる傾向がある(表3)。
- 放牧地内のpH、K2O、P2O5は高く、Mn、Zn、Feは低くなる傾向がある(表4)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 地域資源(鶏、飼料、土地)を使った鶏肉生産技術として利用できる。
- 適正な飼養衛生管理を行いながら実施する。
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[具体的データ] |
  




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[その他] |
研究課題名 |
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地域特産鶏の「国産飼料利用型養鶏」技術の確立
2)移動式鶏舎による土地輪換型飼養技術の開発
健康・安全志向に対応した地域特産鶏肉・鶏卵の開発
2)自然草地を利用するための移動式鶏舎の開発
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予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2003〜2004年度 |
研究担当者 |
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西藤克己・細川吉晴*(*北里大学) |
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