秋田比内地鶏の雄の飼育期間を短縮した飼育基準 |
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[要約] |
秋田比内地鶏の初生ひなへの盲腸内容物培養飼料の給与及び大すう期以降の高エネルギー飼料給与により、雄の飼育期間を短縮できる。
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[キーワード] |
秋田比内地鶏、雄、飼育期間
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[背景・ねらい] |
県畜試で飼育している「比内鶏」及び「ロードアイランドレッド種」の一代雑種である秋田比内地鶏の生産については、生産段階の飼育基準に適合した信頼性の高い特産品としての生産拡大が求められている。また、周年生産を安定させ、供給システムを強化する必要がある。
県としても、比内地鶏は特産品として生産振興を図ることとされており、生産拡大に向けて施設整備が進んでいる。
このため、今後の需要の動向に的確に対応した商品を提供することはもとより、これまで築いてきた本県特産の比内地鶏の名声をさらに確固たるものにして消費拡大を図る必要があり、素ひな生産から地鶏出荷までの各段階で生産技術水準を改善することによって、特定JAS規格に適合するだけではなく、さらに付加価値の高い地鶏肉の生産を志向する生産者に向けた新たな飼育基準が求められている。
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[成果の内容・特徴] |
- 育すう期間の発育(図1)
従来の幼すう飼料を給与する初生ひなに盲腸内容物培養飼料を給与すると、28日齢(4月生)及び29日齢(10月生)までの発育に効果があった。
- 高エネルギー飼料を給与した雄、雌の発育(図2)
従来の飼料を給与する慣行区と比べて、大すう期以降に高エネルギー飼料を給与すると、雄では夏、冬とも出荷体重までの飼育日数が短縮された。
雌では、従来の飼料を給与する対照区と比べて中期の発育は優れているが出荷までに伸びは鈍化するので、飼育日数の短縮につながらない。
- 飼育基準の概要
雄雌別に現行水準からの改善目標を示す。


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[成果の活用面・留意点] |
- 飼育基準はマニュアル化し、先導的な秋田比内地鶏生産者の技術向上に資する。
- 冬期間においても地鶏の特定JAS規格に適合させるため、28日齢から平飼いを開 始する際には十分な保温に努める。
- 平飼いの間は、1m2当たり3羽以下の少ない面積で飼育すること、特に、雄についてはより少ない羽数にする必要がある。
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[具体的データ] |


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[その他] |
研究課題名 |
: |
特定JAS規格に対応した比内地鶏生産体系の確立 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2001〜2004年度 |
研究担当者 |
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石塚条次、力丸宗弘 |
発表論文等 |
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石塚ら(2003)秋畜研報18:37-40 |
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