立毛間播種により大豆・小麦3年5作栽培をする際の雑草管理の要点 |
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[要約] |
水田転換畑における大豆・小麦立毛間播種栽培では、2作目小麦の雑草量が3作目以降の雑草量に大きく影響する。3年5作期間中において、小麦茎立後や小麦収穫前(大豆播種直前)の中耕、大豆畦間処理除草剤の散布を組み合わせることにより雑草発生が抑えられる。
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[キーワード] |
コムギ、雑草管理、ダイズ、立毛間播種
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[背景・ねらい] |
岩手県を含む寒冷地では、大豆−小麦の輪作はそれぞれの作期が重なるため不可能とされてきたが、東北農業研究センターで開発された立毛間播種機を用いることにより、2年3作体系(大豆−小麦−大豆)が可能となった。この技術の普及・定着を図るため、岩手県における本技術の適応性、特徴、作業体系についてとりまとめてきたが、県南部を中心とする水田転換畑における3年5作栽培の可能性については、特に雑草管理の面で検討の余地が残されている。
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[成果の内容・特徴] |
- 除草剤散布に加えて、小麦栽培時の中耕を組み合わせることで雑草発生を抑え、大豆・小麦の3年5作が可能となる。(図1)
- 2作目小麦の雑草管理(特に越冬後)は、その後作の雑草量に影響する。2作目小麦で茎立後の中耕を実施しないと雑草量が多くなり、その後の大豆作、小麦作での雑草量が極端に高まる。(図2)
- 小麦作の越冬後の雑草管理において、茎立後の中耕のみでは十分な除草効果は得られない。茎立後中耕に加えて、茎葉処理除草剤の散布か小麦収穫前(大豆播種直前)の中耕の実施により雑草量は減少する。(図3)
- 雑草発生量が多くなる5作目大豆では、中耕後に非選択性茎葉処理除草剤の畦間散布が有効である。(図4)
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[成果の活用面・留意点] |
- 供試品種は小麦「ネバリゴシ」、大豆「スズカリ」であり、耕種概要等については図1のとおり行った結果である。中耕は乗用管理機に中耕ローターを装着して行った。
- 使用した茎葉処理除草剤は、小麦作(秋)がジフルフェニカン・IPC水和剤(土壌処理も兼ねる)、小麦作(春)がアイオキシニル乳剤、大豆作がセトキシジム乳剤である。非選択性茎葉処理剤(畦間散布)はビアラホス液剤である。
- 作が進むにつれ交換性塩基や可給態リン酸含量が低下する傾向がみられ、特に3作目以降は可給態リン酸含量が不足し、土壌改良が必要となる。(表1)
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[具体的データ] |





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[その他] |
研究課題名 |
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麦・大豆立毛間播種に対応した効率的雑草防除技術の確立 |
予算区分 |
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国庫(地域基幹) |
研究期間 |
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2001〜2004年度 |
研究担当者 |
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荻内謙吾、藤井智克 |
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