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リンゴのカラムナータイプ「タスカン」に適した省力的せん定手法

[要約]

リンゴのカラムナータイプのせん定において、地上部1m付近で主幹を切り戻す側枝一挙更新法を3年サイクルで行うことにより、作業の画一化が可能である。また、毎年側枝を更新する側枝順次更新法と比較して、せん定時間が短縮される。

[キーワード]

リンゴ、カラムナータイプ、せん定、一挙更新法、省力

[担当] 岩手農研セ・園芸畑作部・果樹研究室
[連絡先] 電話0197-68-4417、電子メールEC0008@pref.iwate.jp
[区分] 東北農業・果樹
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 リンゴのカラムナータイプは側枝の発生が少なく、コンパクトな樹形になることから、画一的な管理による密植栽培が可能と考えられ、せん定についても作業の単純化が期待される。
 そこで、カラムナータイプに適した簡易的かつ省力的なせん定手法について検討を行う。
[成果の内容・特徴]
  1. 側枝一挙更新法は、地上部1m付近で主幹を切り戻す簡易なせん定手法であり、更新年以外はほとんどせん定が不要となる(図1)。
  2. 側枝一挙更新法は、毎年側枝を更新する側枝順次更新法と比較してせん定に要する時間が少なく省力的であり、その差は樹齢が進むにしたがって顕著になる(図2)。
  3. 側枝一挙更新後、養成樹は約3年で元の樹高に達するので、養成樹と結果樹の更新を3年サイクルで行うことが可能である(図3)。
  4. 側枝一挙更新法によるせん定を行うと、収量は側枝順次更新区よりもやや減少するが、隔年結果性が弱くなる傾向が見られる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験はカラムナータイプ品種「タスカン」(試験開始当時樹齢8年生、マルバカイドウ台木使用)を用い、栽植距離1m×0.5m、2条植え(列間2m)の密植条件で行ったものである。
  2. 側枝一挙更新法において、養成樹の生育が品種および土壌条件等によって異なる可能性があるため、生育状況を見て更新サイクルを決定する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名 リンゴのカラムナータイプに適合した省力技術体系の確立
予算区分 連携開発研究(超省力園芸)
研究期間 2001〜2004年度
研究担当者 浅川知則、佐々木仁、佐藤秀継