マルバ台「ふじ」の「葉とらず栽培」の適正生育指標と着果条件 |
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[要約] |
マルバ台「ふじ」の葉とらず栽培の適正な生育指標は、6月下旬の新梢長が15〜25cm、新梢伸長停止率が100%、葉色は、新梢中位で38〜43である。また、結果枝長が10cm以下、果台長が15mm前後、果台径が6〜9mm、果台枝長が15cm以下の細い結果枝の果実は品質が高い。
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[キーワード] |
リンゴ、マルバ台「ふじ」、「葉とらず栽培」、生育指標、着果条件
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[背景・ねらい] |
リンゴの「葉とらず栽培」は、食味を重視した生産と葉摘み作業の省力化を図る上で魅力ある生産方式として取り組まれている。しかし、これまでの一般的な栽培方式では果実に葉陰が出来やすく着色が劣るなど問題も多い。そこで、マルバ台「ふじ」の「葉とらず栽培」に適した生育を明らかにするとともに、その指標化について検討する。
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[成果の内容・特徴] |
- マルバ台「ふじ」の「葉とらず栽培」において、果実品質の目標値は果実の大きさで32〜36玉、糖度(光センサー値)で15度以上、着色度(光センサー値)で120以上、熟度(光センサー値37以上、着色の均一性(指数1:葉陰面積80%以上〜指数5:葉陰枝陰なしの5段階評価)4.0以上、地色(カラーチャート)5.0以上である。
- この目標値を適用した場合の適正な生育指標と結果枝の条件は以下の通りである。
- 6月下旬の側枝先端新梢長が15〜25cm、側枝先端新梢中位葉の葉色が38〜43、新梢停止率が100%である(表1、図1)。
- 補助的な診断として7月下旬の新梢長と葉色、9月下旬の新梢長と葉色、二次伸長枝率も活用できる(表1)。
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品質の高い果実は、結果枝長が10cm以下、果台長が5〜15mm、果台径が6〜9mm、果台枝長が15cm以下となるような細い結果枝で日当たりの良い位置に着果した果実に多い(表2、図2)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 予備摘果(1輪摘果)は、落花25日まで終了する。
- 着果量は、4頂芽に一果を目安とする。
- 6月下旬の診断時に、指標の範囲に入らない場合は、次年の施肥量やせん定を加減するとともに、仕上げ摘果で着果量を調節する。
- 葉陰果を少なくするため、着色期には1〜2回程度の玉回しを行う。
- センサー値測定は、(株)マキ製作所製反射型光センサー選果機による。
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[具体的データ] |




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[その他] |
研究課題名 |
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食味本位リンゴの省力的生産・流通技術の確立 |
予算区分 |
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国庫(地域基幹) |
研究期間 |
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2000〜2004年度 |
研究担当者 |
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須藤佐藏、新野 清 、高橋和博、山田広一朗 |
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