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積雪地帯における立毛間播種機を利用した大豆・小麦2年3作技術体系

[要約]

立毛間播種機と積雪地帯特有の気象を考慮した立毛間播種栽培管理技術の組合せにより、積雪地帯でも大豆・小麦2年3作栽培ができる。作成したマニュアルでは、栽培管理技術、立毛間播種機の特長、経営モデル、現地での応用事例について解説している。

[キーワード]

コムギ、ダイズ、立毛間播種栽培、栽培管理、マニュアル

[担当] 山形農試・総合研究部
[連絡先] 電話023-647-3500、電子メールgotokatsu@pref.yamagata.jp
[区分] 東北農業・作業技術
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 立毛間播種栽培は、作物立毛中の条間に次の作物を播種し間作期間を設けることにより寒冷地でも大豆−小麦−大豆の2年3作が可能となる技術である。そこで、積雪地帯に対応した栽培管理技術と経営モデルを策定し、初心者でも理解しやすい大豆・小麦立毛間播種栽培マニュアルを作成する。
[成果の内容・特徴]
  1. 積雪地帯における立毛間播種栽培管理技術のポイントは以下のとおり。
    1. 刈幅1.5mクラスの汎用コンバインを利用する場合は、クローラによる踏圧を避けるため、大豆、小麦ともに条間75cmに設定する。
    2. 播種適期は、2作目小麦が10月上旬、3作目大豆は6月上旬〜中旬で小麦との間作期間は2週間以内とする(表1)。
    3. 大豆の刈り高さは、その年の最下着莢高さと小麦の初期生育量を勘案して決定する。小麦の刈り込み量が増えると、大豆に汚損が発生する上に小麦収量を低下させる恐れがある(表2)。
    4. 雑草対策は、小麦では融雪後の茎葉処理除草剤散布と中耕の実施、3作目大豆では、3葉期中耕と6葉期中耕培土を実施し、イネ科雑草が多い場合は、さらに茎葉処理除草剤を散布する(図2)。
  2. 作成した大豆・小麦立毛間播種栽培マニュアルでは、詳細な栽培管理技術、立毛間播種機の特長・調整方法、経営モデル、現地での応用事例(大豆-小麦-そば2年3作)について解説している。マニュアルのダイジェスト版を図1に示す。
[成果の活用面・留意点]
  1. 大豆・小麦立毛間播種栽培では耐倒伏性の高い品種を用いる。
  2. マニュアルは2005年3月に山形県立農業試験場ホームページでの公開を予定している。 アドレス(http://www.pref.yamagata.jp/10/100510.html)
[具体的データ]

[その他]
研究課題名 大豆・小麦立毛間播種栽培技術の開発
予算区分 国庫(地域基幹)
研究期間 2001〜2004年度
研究担当者 後藤克典、長岡正三、鈴木洋、田林勝博、橋真理