二面鏡を用いたエダマメ莢の全周囲認識方法 |
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[要約] |
開発した方法は、120°の角度で連結した二面鏡、姿勢安定板、リング照明を配置した画像取得部で構成し、1台のカメラでエダマメ莢の全周囲画像を取得することが可能で、傷部や褐変部の検出に利用できる。
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[キーワード] |
エダマメ、二面鏡、落下、全周囲認識
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[背景・ねらい] |
エダマメの収穫調製作業では、播種や中耕培土、防除、収穫、脱莢、粗選別までの作業が機械化されているのに対し、粗選別の後に人力での精選別作業が必要で、作業能率が大幅に低減する。そこで、エダマメ莢の機械選別に必要な画像処理を行うための前処理技術として、安価で精度良くエダマメ莢の全周囲画像取得方法を開発する。
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[成果の内容・特徴] |
- エダマメ莢情報の取得は、エダマメ莢の乗り継ぎを良好にするため二基の搬送用コンベア連結部に15〜35cmの段差を設け、そこに120°の角度に設定した二面鏡、その正面にCCDカメラ(24bitカラー,35万画素,撮影速度250〜500FPS)を配置した画像取得部で行う(図1)。
- 画像取得部上面にリング照明を組み込み、エダマメ莢の上方から下方に向けて照射する(図1)。
- 二面鏡では、光の直進性を利用して虚像を含む3画像によるエダマメ莢全周囲の認識が可能で、鏡面にカメラが撮像されない(図1)。
- エダマメ莢表面に1〜15の番号を書いたモデル試験では、CCDカメラで取り込んだエダマメ莢全周囲のプレーン画像で全数字の100%、G=41を閾値とした二値化画像で全数字の90%が検出できる。
- 二面鏡の上部には、鏡の連結部から40mmの位置に10mm幅の姿勢安定板(L=139mm)を取り付けることで、落下するエダマメ莢の93%を垂直姿勢にできる(図2)。
- G=41を閾値とした二値化で傷部と褐変部の有無をを判別した場合、画像取得部を組み込んだ試作選別機での選別精度は79%である(図3)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 搬送するベルトコンベア間には、速度差をつけてエダマメ莢の引き離しを行い、画像取得部にエダマメ莢を1個ずつ落下させる。
- 画像取得部手前のベルトコンベアには、エダマメ莢を二面鏡の連結部へ誘導するガイドを設ける。
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[具体的データ] |



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[その他] |
研究課題名 |
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新省力機械化を中心とした高度水田輪作技術体系の確立 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2000〜2004年度 |
研究担当者 |
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片平光彦 |
発表論文等 |
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片平ら(2003)特願 2003-093096 片平光彦(2002)農業機械学会東北支部報49号:27−30 |
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