完熟牛ふん堆肥を稲わら春施用に代えて施用した場合のメタン削減率 |
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[要約] |
完熟した牛ふん堆肥を稲わら春すき込みに代えて施用することにより、水田からのメタン発生量を約50%削減できる。
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[キーワード] |
イネ、水田、メタン、牛ふん堆肥
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[背景・ねらい] |
有機物施用は水稲の安定栽培上不可欠であり、主として稲わらや堆肥が用いられている。水田から発生する温室効果ガスであるメタン量は、稲わら施用田に比べて堆肥施用田で少ないことが知られている。しかし、稲わらに代えて堆肥を施用した場合の、堆肥の種類毎のメタン削減率は明確でない。積雪寒冷地で多く見られる稲わら秋施用春すき込み水田でのメタン発生量は極めて多いことから、同地域で稲わらに代えて牛ふん堆肥を施用した場合のメタン発生の特徴と削減率を明らかにし、積雪寒冷地における有機物管理のあり方の参考にする。
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[成果の内容・特徴] |
- 牛ふん堆肥施用田のメタン発生量は、栽培期間の大部分の時期で稲わら施用田(春すき込み)より少なくなる。特に、7〜8月に稲わら施用田のメタン発生量は多くなるが、牛ふん堆肥施用田では増加量が少ない(図1)。
- 積雪寒冷地水田において、完熟した牛ふん堆肥を稲わらに代えて春施用することにより、メタン発生量を約50%削減できる(表1)。
- 牛ふん堆肥または稲わらを混合した水田土壌を充填したポットに水稲苗を移植し、湛水管理を継続しながらメタン発生量を測定することで、圃場でのメタン削減効果を概算できる(図2)。
- 牛ふん堆肥の腐熟度により、メタン生成能が大きく異なることから、牛ふん堆肥は完熟したものを用いる(表2)。
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[成果の活用面・留意点] |
- この成果は、積雪寒冷地で稲わらの秋施用春すき込みを実施している水田を対象とする。
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[具体的データ] |




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[その他] |
研究課題名 |
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メタン発生量の少ない有機物施用法の確立 |
予算区分 |
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受託 |
研究期間 |
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2003〜2005年度 |
研究担当者 |
: |
熊谷勝巳、塩野宏之 |
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