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測色色差計による餅白度の高い水稲糯系統の評価法

[要約]

測色色差計で測定した玄米の黄色度から餅の白さを評価でき、少量の試料で餅白度 の高い水稲糯系統の選抜が可能である。

[キーワード]

イネ、測色色差計、黄色度、少量、餅白度、水稲糯系統、選抜

[担当] 秋田農試・作物部・水稲育種担当
[連絡先] 電話018-881-3330 電子メールi-kodama@agri-ex.pref.akita.jp
[区分] 東北農業・水稲
[分類] 科学・参考

[背景・ねらい]
 秋田県ではより餅白度が高い水稲糯品種の育成が実需者から強く求められている。これまで餅の白さの評価は玄米白度を測定したり、搗き餅を目視によって評価する方法が用いられている。玄米白度は少量で簡単に測定できるが、餅の白さにおける選抜効率が低い。また、搗き餅による方法は最低数百グラムの白米を必要とし、生地成形まで時間を要するため、多数系統を同時に評価することはできない。そこで、目視による餅の白さに対応した測色色差計を用いた少量評価法を開発し、餅白度の高い系統を選抜する。
[成果の内容・特徴]
  1. 精玄米約7.7gを内径30mmの容器に充填し測色色差計で測定した玄米の黄色度YIときぬのはだを基準とする餅の白さとの間には高い負の相関(r=−0.970*)がある(表1)。
  2. 供試系統における2003年と2004年の玄米の黄色度YIの間には、高い世代間相関(r=0.919**)があり年次が異なっても試料間の傾向が同じであることから、玄米の黄色  度YIを選抜に利用することができる(図1)。
  3. 主要品種であるヒメノモチを基準とした場合でも玄米の黄色度YIの高低を評価することにより、ヒメノモチより餅の白さが高い系統を選抜することができる(図2)。
  4. この評価法を用いて、餅白度が高い秋田糯91号、秋田糯92号を育成できたことから、玄米の黄色度による評価法は餅白度の高い系統の育成に有効である(図2表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 簡便に餅白度の評価ができ、系統の選抜に利用できる。
  2. 着色粒を含む玄米を用いない。
  3. 測色色差計(日本電色工業社、ZE2000)による色相の測定は、光源JIS,Z8722によるn,d法、照明C光源、視野2度とした。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名 次世代銘柄米品種の開発
予算区分 県単
研究期間 2000〜2004年度
研究担当者 小玉郁子、川本朋彦、松本眞一