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アカヒゲホソミドリカスミカメ成虫のすくい取り効率

[要約]

イタリアンライグラスにおけるアカヒゲホソミドリカスミカメ成虫のすくい取り効率は平均21%で、草の状態(草丈・生育ステージ)による差はない。イネ出穂後の水田におけるすくい取り効率は15%である。

[キーワード]

アカヒゲホソミドリカスミカメ、イタリアンライグラス、標識再捕法,すくい取り効率

[担当]

東北農研・水田利用部・水田病虫害研究室

[連絡先]

電話0187-66-1221、電子メールttkoba@affrc.go.jp

[区分]

東北農業・生産環境(病害虫)、共通基盤・病害虫(虫害)

[分類]

科学・参考

[背景・ねらい]

東北地方の主要な斑点米カメムシであるアカヒゲホソミドリカスミカメは、休耕田、雑草地、畦畔、採草地などで繁殖し、水田に侵入して斑点米被害を与える。本種成虫の発生数の調査は捕虫網によるすくい取りによって行われるが、すくい取り数と実際にそこに生息する成虫数の関係は明らかでない。標識再捕法を用いて本種成虫の個体数を推定することにより、すくい取りの捕獲効率を知る。

[成果の内容・特徴]

  1. イタリアンライグラスにおける本種成虫のすくい取り効率は平均21%である(表1)。
  2. イタリアンライグラスの状態(草丈・生育ステージ)によるすくい取り効率の差はない(表1)。
  3. イタリアンライグラスにおいては雌雄のすくい取り効率の差はない(表1)。
  4. 同様に求めた出穂後の水田内でのすくい取り効率は15%である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. すくい取り効率の値を知ることで、捕虫網によってすくい取られた本種成虫の数から、網の通過した面積内に生息する虫の概数を知ることができる。
  2. すくい取りは柄長90cm、口径36cmの捕虫網を用いた慣行の方法で行い、同じ場所を何度もすくい取らないように注意する。また、草丈が高い場合は草の最上部を覆うようにすくい取る。
  3. 草が倒伏している場合のすくい取りには適用できない。

[具体的データ]

 

[その他]

  • 研究課題名: カスミカメムシ類の移動実態の解明と防除技術の開発
  • 課題ID:05-02-08-01-06-04
  • 予算区分: ブラニチ5系
  • 研究期間:2001〜2005年度
  • 研究担当者: 小林徹也、菊地淳志