キュウリ露地栽培におけるかん注追肥による草勢維持効果 |
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[要約] |
キュウリ露地栽培において、10aあたり800kg収穫するごとに成分で2.5〜3kgの液肥をかん注施肥することにより、従来の粒状肥料の施用やロング肥料の施用に比べて9月以降の収量が確保できる。
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[キーワード] |
キュウリ、露地、草勢、追肥、かん注
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[背景・ねらい] |
岩手県の露地キュウリ栽培において、収穫最盛期以降の草勢維持を目的に、液肥のかん水施肥や土壌へのかん注処理が多く行われるようになっている。土壌かん注処理はかん水設備のない圃場でも効率的に追肥効果を得られることから普及しつつあるが、追肥の量や追肥方法については明らかでない。
そこで、草勢衰弱を回避し、9月以降の収量を確保するためかん注追肥の方法と効果について調査する。
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[成果の内容・特徴] |
- 露地栽培において液肥のかん注追肥を行うことにより、粒状肥料の通路散布処理やロング肥料施用に比べて9月以降の収量が確保できる(表1)。
- 追肥施用量は収穫量に応じて行うこととし、1株当たりキュウリ商品果実10本、10aあたり約800kgを収穫するごとに窒素、リン酸、カリの成分で10aあたり2.5〜3kg施用を基本とする。
- 収穫量に応じてかん注による追肥を行うことにより、キュウリの葉柄汁液中硝酸イオン濃度および土壌のEC値の変動幅が小さくなる(図1、2)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 地力が高いほ場では追肥窒素量を7割程度に減じることが可能である(表1)。
- 液肥のかん注によって液肥かん水施肥と同等の草勢維持効果があるため、かん水設備のない圃場における液肥の追肥法として適用できる。
- 本試験での10aあたり栽植本数は833本であり、追肥資材には園芸用サスペンジョン1号(10-10-10)を原液〜2倍希釈で使用し、施用位置はマルチ肩部分に30cm間隔で深さ10cmとした(図3)。
- 市販の自走式液肥かん注機は図3のものが多く普及している。
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[具体的データ] |




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[その他] |
研究課題名 |
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果菜類における低コスト・長期安定生産のための新露地型栽培体系の確立 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2002〜2004 |
研究担当者 |
: |
山田修 |
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