小ぎく「アイマム」シリーズのエテホン処理による開花調節 |
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[要約] |
エテホン100ppm溶液または200ppm溶液を摘心時と10日後の2回処理することにより、開花が抑制されて、品質向上効果も認められる。200ppm処理では、「アイマム」シリーズの品種によって異なるが、無処理と比べ6〜20日の範囲で採花時期が遅くなる。
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[キーワード] |
キク、エテホン処理、開花調節
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[背景・ねらい] |
岩手県の小ぎくは県下全域で栽培される主要な花き品目の1つである。県では、生産振興に弾みをつけるため、本県の立地条件に適合したオリジナル品種「アイマム」シリーズをこれまで11品種育成している。
一方、生産者は、夏秋期の需要期を中心とした継続出荷に対応するために、多数の品種を保有しているが、各品種の特性に合わせた栽培管理が必要となり、産地化を図る上で障害となっている。
そこで、保有品種の整理も視野に入れ、「アイマム」シリーズの中でも早期に開花する「アイマムパープルレッド」「アイマムアーリーホワイト」「アイマムアーリーイエロー」に対するエテホン液剤(商品名:エスレル10液剤)の処理による開花調節効果を明らかにする。
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[成果の内容・特徴] |
- 「アイマム」シリーズ3品種に対するエテホン200ppm溶液(エスレル10液剤500倍希釈液)の摘心時及びその10日後の2回処理により、採花盛期は無処理と比較して、「アイマムパープルレッド」では8〜20日(平均14.7日)、「アイマムアーリーホワイト」では6〜13日(平均10.7日)、「アイマムアーリーイエロー」では9〜12日(平均10.0日)遅くなる(表1、2、3)
- エテホン100ppm溶液でも、開花抑制効果は認められ、数日間の開花抑制ができる。(表2、表3)
- エテホン処理を行うことにより、切り花長、切り花重、調整重の値が大きくなり、品質向上効果がある(表1、2、3)。
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[成果の活用面・留意点] |
- エテホン液剤による開花抑制の程度は、栽培地域、気象条件等によって異なり、効果が必ずしも安定していない。
- エテホン液剤は植物成長調整剤として農薬登録があり、使用基準並びに使用方法を遵守する。
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[具体的データ] |



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[その他] |
研究課題名 |
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小ぎくの作期拡大技術の開発 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2002〜2006年度 |
研究担当者 |
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小田島雅、渡辺愛美、児玉勝雄 |
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