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小ぎく「アイマム」シリーズのエテホン処理による開花調節

[要約]

エテホン100ppm溶液または200ppm溶液を摘心時と10日後の2回処理することにより、開花が抑制されて、品質向上効果も認められる。200ppm処理では、「アイマム」シリーズの品種によって異なるが、無処理と比べ6〜20日の範囲で採花時期が遅くなる。

[キーワード]

キク、エテホン処理、開花調節

[担当] 岩手農研セ・園芸畑作部・花き研究室
[連絡先] 電話0197-68-4419、電子メールCE0008@pref.iwate.jp
[区分] 東北農業・野菜花き(花き)
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 岩手県の小ぎくは県下全域で栽培される主要な花き品目の1つである。県では、生産振興に弾みをつけるため、本県の立地条件に適合したオリジナル品種「アイマム」シリーズをこれまで11品種育成している。

 一方、生産者は、夏秋期の需要期を中心とした継続出荷に対応するために、多数の品種を保有しているが、各品種の特性に合わせた栽培管理が必要となり、産地化を図る上で障害となっている。

 そこで、保有品種の整理も視野に入れ、「アイマム」シリーズの中でも早期に開花する「アイマムパープルレッド」「アイマムアーリーホワイト」「アイマムアーリーイエロー」に対するエテホン液剤(商品名:エスレル10液剤)の処理による開花調節効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 「アイマム」シリーズ3品種に対するエテホン200ppm溶液(エスレル10液剤500倍希釈液)の摘心時及びその10日後の2回処理により、採花盛期は無処理と比較して、「アイマムパープルレッド」では8〜20日(平均14.7日)、「アイマムアーリーホワイト」では6〜13日(平均10.7日)、「アイマムアーリーイエロー」では9〜12日(平均10.0日)遅くなる(表123
  2. エテホン100ppm溶液でも、開花抑制効果は認められ、数日間の開花抑制ができる。(表2表3
  3. エテホン処理を行うことにより、切り花長、切り花重、調整重の値が大きくなり、品質向上効果がある(表123)。
[成果の活用面・留意点]
  1. エテホン液剤による開花抑制の程度は、栽培地域、気象条件等によって異なり、効果が必ずしも安定していない。
  2. エテホン液剤は植物成長調整剤として農薬登録があり、使用基準並びに使用方法を遵守する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名 小ぎくの作期拡大技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2002〜2006年度
研究担当者 小田島雅、渡辺愛美、児玉勝雄