アーチパイプに誘引するアスパラガス露地長期どり栽培の収益性 |
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[要約] |
慣行の1.5倍の裁植密度でアーチパイプに誘引した場合に、アスパラガス露地長期どり栽培の収量と所得を慣行栽培に比べると、定植2年目では108%の収量で48千円/10aの所得増、定植2年目では121%の収量で163千円/10aの所得増が見込める。
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[キーワード] |
アスパラガス、露地長期どり、収益性、アーチパイプ
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[背景・ねらい] |
遊休地や水田等を利用した野菜振興を推進していくなかで、近年、夏秋期に価格が安定している土地利用型野菜としてアスパラガスが注目されている。そこで、慣行栽培よりも密植であるが作業性に優れるアーチパイプを利用した露地長期どり栽培の収益性について明らかにする。
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[成果の内容・特徴] |
- 図1のように栽培密度を慣行の1.5倍の3,333株/aとしアーチパイプに誘引する栽培は、夏期の収量が多く(図2)、定植2年目のA品収量は、慣行比108% の905kg/10aとなり、定植3年目のA品収量は、慣行比121%の1,243kg/10aとなる(表1)。
- 10a当たりの所得は、定植2年目では慣行に比べ48千円向上の449千円、定植3年目では慣行に比べ163千円向上の713千円が見込まれる(表2)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 供試品種は、「グリーンタワー」で、アーチパイプはキュウリ栽培用のタイプである。
- 立茎方法は、立茎数はm当たり10本とし、全期立茎栽培とした結果である。
- 本栽培の栽培様式は、うね幅2.4m、株間25cm、2条植えで、慣行の栽培様式(うね幅1.8m、株間30cm、1条植え)よりも株数を増やしながらも通路幅が広くなるため作業性の向上が期待できる。
- アーチパイプによる誘引は、倒伏の心配がないため無摘心栽培が可能で、地上部の生育量を確保できることから、収量増加が見込まれる方法である。
- 全期立茎栽培を行う場合、栽培期間中に主枝更新を行うと栽培中期以降の収量が減少するため、養成茎とする若芽は、太さ10mm程度(M品クラス)で、曲がりが少なく病害のないものを選択する。
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[具体的データ] |



 
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[その他] |
研究課題名 |
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野菜の産地維持緊急対策技術開発プロジェクト |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2002〜2003年度 |
研究担当者 |
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大木 淳、永峯淳一、石山久悦、阿部 清、高橋 亨 |
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