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軟白栽培したウルイの収穫後の着色特性と着色防止法

[要約]

収穫後の軟白栽培ウルイは、温度20℃照度1,000Luxの条件下で6〜8時間後に軟白栽培の出荷基準を超える着色(緑化)となる。着色を防止するためには、収穫後の温度が10〜25℃の範囲では、できるだけ低温にするほうがよい。

[キーワード]

ウルイ、着色、温度、照度

[担当] 山形県農業研究研修センター・中山間地農業研究部・園芸研究科
[連絡先] 電話0233-22-2201、電子メールnogyose@pref.yamagata.jp
[区分] 東北農業・野菜花き(野菜)
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 近年、ウルイの生産は拡大傾向にあり、緑化栽培と軟白栽培で産地の確立が図られている。しかし、軟白栽培されたウルイは、収穫後に着色(緑化)し、販売時に商品価値が低下しやすい。

 そこで、軟白栽培したウルイの収穫後の環境条件による着色(緑化)程度を明らかにして防止対策を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 軟白栽培したウルイは、収穫後の温度条件が10℃〜20℃の範囲(照度1,000Lux)では、温度が低いほど着色(緑化)が遅く、20℃と25℃の着色(緑化)に要する時間は同等である。(図1図2)
  2. 20℃の温度条件(照度1,000Lux)では、収穫6〜8時間後に軟白栽培の出荷基準を超える着色と なるが、10℃の温度条件では、収穫24時間経過後も出荷基準を超える着色に至らない。(図1図2)
  3. したがって、収穫後の着色(緑化)を防止するためには、収穫後の温度条件が10℃〜25℃の範囲ではできるだけ低い温度条件にする。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験はインキュベーター内で行い、光源は白色蛍光灯である。
  2. 販売環境調査として地元3箇所の量販店調査したところ、販売店においての商品陳列場所 の温度及び照度は、冷蔵棚で10.5〜13.8℃ 1,000〜2,200Lux、特設コーナーで約20℃約1,000Luxであったことから、特に、特設コーナーは着色しやすい環境条件にある。(表1)
  3. 収穫後速やかに当該技術を活用するとともに、箱内などへの暗所保存を併用する。
[具体的データ]

[その他]
研究課題名 「山菜王国山形」緊急産地支援技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2002〜2004年度
研究担当者 石山久悦、高橋亨、大木淳