無加温ハウス栽培におけるナス単為結果性系統利用の省力効果と生産性 |
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[要約] |
ナス単為結果性系統は、寒冷地の無加温ハウス栽培において、受粉処理なしでも5月から11月まで収穫が可能である。従来品種に比べて収量性が劣るが、市場性も十分であり、処理労力や資材費が削減できることから、時間当たり所得は高い。
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[キーワード] |
ナス、単為結果性系統、省力効果、収量性
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[背景・ねらい] |
長ナスの無加温ハウス栽培では、低温期に果実肥大が著しく不良となって品質低下がおこることから、受粉処理等のための労力が必要となっている。一方、この回避を目的に単為結果性系統の育成が進められており、それらの導入による省力化が期待されているが、栽培適応性等については明らかになっていない。そこで、品種化が期待される単為結果性系統について、寒冷地の無加温栽培における省力効果と生産性を明らかにする。
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[成果の内容・特徴] |
- 単為結果性系統は、受粉処理を実施する現行品種(式部)に比べて、収量が1割程度劣るが、低温期間にもホルモン処理等の受粉処理を行わなくても肥大が良好であるため、寒冷地の無加温ハウスにおいて5月上旬から11月下旬まで収穫が可能である(表1、図1)。
- 単為結果性系統は、現行品種に比べて所得率はやや低いが、受粉作業の労力の削減等により10a当たり労働時間が250時間程度少なく、受粉処理に要する資材費も削減できるため、労働時間当たりの所得は高い(表2)。
- 単為結果性系統の果実は、現行品種に比べて光沢が良く、市場性も十分認められる。(表3)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 本成果は、単為結果性ナスの導入試験を行う場合の基礎資料となる。
- 本成果は、山形県砂丘地農業試験場内の無加温ハウスにおいて、単為結果性系統「安濃交4号(AE-P08×AE-P01)」を栽培して得られたものであり、本系統は、野菜茶業研究所果菜研究部ナス科育種研究室で育成されたもので、現在、系統適応性試験に供試中である。
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[具体的データ] |





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[その他] |
研究課題名 |
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主要野菜の産地維持緊急対策技術開発プロジェクト |
予算区分 |
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県 単 |
研究期間 |
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2002〜2004年度 |
研究担当者 |
: |
山崎紀子 |
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