イチゴ高設ベンチ栽培の9〜11月どりで地下水を利用した培地冷却効果 |
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[要約] |
高設ベンチ内に埋設したプラスチック製管に15〜18℃の地下水を通水すると、培地内を23℃以下に冷却できる。これで夜冷短日処理した苗を定植すると年内の出蕾株率が高まり、年内の平均果重やa当たり総収量・商品果収量が向上する。
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[キーワード] |
イチゴ、高設ベンチ、地下水利用、培地冷却
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[背景・ねらい] |
一季成り性品種を用いた高設ベンチ栽培では、販売単価が高い年内に収量を向上させることは経営の大きなポイントである。しかし、夜冷短日処理した苗を定植する7〜8月はハウス内気温が高温となり高設ベンチの培地内根圏環境が不良となる。また、山形県庄内砂丘地帯には年間平均水温15〜18℃に保たれた豊富な「地下水」がある。そこで、この地下水を培地冷却に活用した効果について検討する。
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[成果の内容・特徴] |
- 高設ベンチ内に埋設した2本の合成樹脂製可とう電線管(CD管・直径22mm)に地下水を通水すると、培地内を適地温(19〜23℃)まで冷却することができる(表1、図1)。
- 夜冷短日処理した苗を定植した高設ベンチ内に、定植後から地下水通水すると年内の出蕾株率を高めることができる(表2)。
- 地下水通水すると培地内地温が適地温に制御できるため、9〜11月どりの全体平均果重やa当たり総収量・商品果収量が向上する(表3)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 本成果は、地下水冷却処理を長さ7.2mのベッドを2区設置し、地下水温の入口と出口の差が0.5〜1.0℃になるように地下水量を調整し、1日当たり約10,500リットルを使用した時に得られたものである。
- 通水は定植後から地温が19℃以下になるまで終日行う。
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[具体的データ] |




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[その他] |
研究課題名 |
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一季成り性品種の長期どり栽培技術の確立 |
予算区分 |
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県単独事業(中山間地地域農業技術開発事業) |
研究期間 |
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2002〜2003年度 |
研究担当者 |
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丸山康広、伊藤政憲 |
発表論文等 |
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丸山康広・伊藤政憲(2004)東北農業研究第57号 |
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