pF制御自動灌水同時施肥システムによる環境にやさしいトマト栽培 |
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[要約] |
福島農試開発の本システムでは、夏秋トマトの第3花房開花期以降の灌水開始点はpF2.3が適当であり、供給する液肥濃度は0.5dS/mが適する。本システムでのトマト栽培は減肥が可能で、硝酸態窒素の土壌残留が少なく、環境負荷軽減に有効である。
[キーワード]トマト、pF制御、灌水同時施肥、減肥、環境負荷軽減
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[キーワード] |
トマト、pF制御、灌水同時施肥、減肥、環境負荷軽減
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[背景・ねらい] |
本県では、トマトをはじめ野菜生産における施設化を推進している。しかし、トマトの施設栽培においては、連作による塩類集積や、硝酸態窒素等の溶脱に伴う環境負荷の増大が懸念されている。
このため、施設野菜を対象に開発したpFセンサー制御による灌水同時施肥システムの夏秋トマト栽培における適正なpF設定値及び液肥濃度を明らかにし、さらに土壌中の硝酸態窒素の動態と溶脱状況を把握し、環境負荷の少ない夏秋トマト施肥法を開発する。
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[成果の内容・特徴] |
- 本システム(平成11年度成果情報)は、液肥混入機により一定濃度(EC値)の液肥を点滴灌水する方式で、灌水をpFセンサーで自動制御する(図1)。なお、pFセンサーの設置位置については、点滴灌水チューブからの距離15p、深さ15p、株間の中間とする。
灌水時間帯は、午前6時と7時の2回とし、1回当たりの灌水最大時間は15分間とする。なお、2回の合計灌水量が約1.5リットル/株以下になるように設定する(図2)。
- 本システムにおける夏秋トマトの第3段花房開花期以降のpF設定値は、収量性等を考慮すると、灌水始点pF2.3、灌水止点pF2.1が適当である(表1)。
- 本システムで供給する液肥濃度は、収量性等を考慮すると0.5dS/mが適する(表2)。
- 施肥量については、対照施肥法より20%少ない窒素施用量で、対照区とほぼ同等の収量が得られ、減肥効果が明らかになった(表2、3)。
- 栽培終了後に土壌に残存する硝酸態窒素は対照区に比べ少なく、環境負荷軽減に有効な栽培法である(表3)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 本システムは、効率的な灌水・施肥管理により、減肥が可能で硝酸態窒素の土壌残量が少ないなど、環境負荷の少ないトマト栽培に活用できる。
- 基肥にスタータとしてN成分で0.5s/a程度施用する。
- 定植後から第3花房開花期以前の管理については、トマトの生育等を見ながら灌水のみを行う。
- 褐色森林土での適応例である。
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[具体的データ] |





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[その他] |
研究課題名 |
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野菜・花きに対する灌水同時施肥による環境負荷軽減技術の開発 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2002〜2004年度 |
研究担当者 |
: |
加藤義明 |
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