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トルコギキョウの八重咲を得る表現型の組合せ

[要約]

トルコギキョウでは一重咲きと外側の花弁全体ががく化した奇形八重咲との交雑により、確実に八重咲を育成できる。

[キーワード]

トルコギキョウ、八重咲、遺伝、表現型、F1、育種

[担当] 秋田農技セ農試・野菜・花き部・花き担当
[連絡先] 電話 018-881-3330,電子メール akomachi@mail2.pref.akita.lg.jp
[区分] 東北農業・野菜花き(花き)
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
トルコギキョウは八重咲品種がブライダルなどに使用されることから一重咲品種に比較し高値で取引されている。八重咲はF1にすることで100%発現することが報告されているが、どのような表現型を両親に用いればよいか明らかにされていない。そこで、トルコギキョウの八重咲の遺伝特性を明らかにし、両親の表現型を決定し、効率的に八重咲が得られるようにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 八重咲の自殖後代は、外側の花弁全体に緑色の筋が入る花弁ががく化した奇形八重咲、八重咲、一重咲の表現型が1:2:1に分離する(表1図1)。
  2. 奇形八重咲の自殖後代はその表現型で固定する(表1図1)。
  3. 表現型の分離比から、八重咲の遺伝に関して奇形八重咲は優性ホモ、八重咲はヘテロ、一重咲は劣性ホモと考えられ、一重咲と奇形八重咲との組合せで八重咲の表現型が得られる(表1図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. この手法は、トルコギキョウの八重咲品種を育成するために活用できる。
  2. 奇形八重咲(ホモ)と八重咲(ヘテロ)を形態的に判別することが困難な場合があるので注意する。
  3. 正逆交雑可能であるが、奇形八重咲を母本に用いると除雄が困難で、子房が小さいため採種量が減る。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名 トルコギキョウの新品種育成
予算区分 県単
研究期間 1999〜2006年度
研究担当者 間藤正美、佐藤孝夫、佐藤友博、柴田浩
発表論文等 間藤ら(2004)秋田県農業試験場研究報告44:1-14