地域特産飲料を使用したゼリー飲料の製造法 |
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[要約] |
ゼリー飲料を製造する際は離水率を考慮し、pHが3.5以下の飲料を使用する場合、ゲル化剤は「WM-100」を使用する。
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[キーワード] |
ゼリー飲料、pH、離水、リンゴ、ブドウ、シソ、ウメ
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[背景・ねらい] |
ゼリー飲料は90年代中盤の発売以来、年々増加を続け、2004年度の販売規模は450億円となっている。そこで、青森県の地域特産品であるリンゴ、ブドウ、シソ、ウメ等を使用した飲むゼリーを開発し、特産飲料の需要拡大を目指すことにしている。
しかし、低pH飲料ではゼリー飲料から液体が分離(離水)しやすく、品質が低下する。このため、低pH条件下での離水特性を明らかにし、ゼリー飲料製造条件を確立する。
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[成果の内容・特徴] |
- 検討したゲル化剤は伊那食品工業(株)製の「イナゲルDJ-90」と「イナゲルDJ-100」、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の「ゲルアップWM-100」で、いずれも増粘多糖類を主成分とする。
- ゼリー飲料の食感は、「DJ-90」がジュース分が多くさらさらとした食感で、「WM-100」はジュース分が少なくドロドロとした食感で、「DJ-100」はその中間の食感である。
- pHの違いによるゲル化剤別ゼリー飲料の離水率は、3種類ともpHが低いほど離水率が高い。また、ゲル化剤別の離水率は「DJ-90」>「DJ-100」>「WM-100」の順である(図1)。
この結果から、pH3.5以下の飲料でゼリー飲料を作る場合は、「DJ-90」と「DJ-100」は離水率が高すぎて不適と判断されるが、「WM-100」は比較的離水率が低く、使用できると判断される。
- ブドウ、シソ、ウメのゼリー飲料を作る場合は、pHが3.5以下であるので、ゲル化剤は「WM-100」が適しており、糖度を14.5%前後に調整することで良好なゼリー飲料の製造が可能である(図2及び表1)。
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[成果の活用面・留意点] |
- ゲル化剤の種類で溶解する温度が異なるので、添加するときの飲料の温度に注意する。
- ゲル化剤はダマになりやすいので次の点に注意する。
- 砂糖を添加する場合は、砂糖とゲル化剤を混合して添加する。
- 砂糖を添加しない場合は、ゲル化剤を少量ずつ添加する。
- 充てん・シール時はなるべく内部に気泡が入らないよう注意する。
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名 |
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青い森こだわり特産品の開発 |
予算区分 |
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県単 |
研究期間 |
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2004〜2005年度 |
研究担当者 |
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岩ア和美、栗林豊、山崎賀久 |
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