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直進播種同時除草と固定タイン式除草によるアワの機械除草技術
[要約]
アワの播種作業時にスコープ、水糸、マーカーを使用することで真っ直ぐに種をまくことができる。そのため、播種後3週間目に改良型Hレーキを組み合わせた機械除草をすることでアワ残存率が高くなり、中耕培土体系と比較して約30%の増収が確保される。
[キーワード]
アワ、改良固定タイン、播種同時除草
[担当]
岩手農研セ・企画管理部・農業経営研究室
[代表連絡先]
電話0197-68-4415
[区分]
東北農業・基盤技術(作業技術)
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
アワの安定栽培において精度の良い機械除草の技術開発が急務である。北海道畑作地帯のビート移植栽培で実用化されている固定タインの機械除草技術が有望であるが、播種時の直進性のズレにより、除草時に作物への損傷が多く見られたことから、株際に固定タインを近
づけて雑草を取り除くことができなかった。
本研究では、アワ生育初期の機械除草に重点を置き、播種機の直進性向上と同時除草技術を開発し、それらを組み合わせた機械除草の効果を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- トラクターのボンネットにスコープを装着し、目標播種位置に設置した水糸とスコープに張られた水糸が重なるよう播種作業することで、種は目標播種位置から左右5cm以内のズレに収まる。復路の場合、往路のマーカー跡とスコープに張られた水糸が重なるよう運転することで直線的な播種が可能である(図1、図3)。
- 播種同時除草を耕起後11 日目に行うと、土壌中の雑草の根が除草されるため、雑草発生率が低く(慣行対比28%)なる。発芽率は64〜84%と慣行播種の80%と同程度である(図2、図3)。
- 播種後18〜22日目に改良型Hレーキ等で機械除草を行うことで、アワ残存率が高く(69%残存)、収量が慣行除草作業(中耕培土体系)と比較して30%増加(175→225kg/10a)する(表1、図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 改良固定タインは、Hレーキの針金間4カ所にワイヤー(直径0.5mm)を取付けたものである(図3)。VレーキとCレーキ及びHレーキは、株式会社キュウホー製(北海道)の株間除草器具を使用する。
- スコープは、トラクターフロントに装着しやすいブロック型の発泡スチロールに、水糸をブロックの前後2カ所に装着したものである(図3)。
- 播種同時除草作業時に直進走行するため、ほ場に設置する水糸は往路のみとする。その際、復路以降の直進走行でマーカー跡が必要なため、マーカーを使用する。
- 播種機は真空播種機(3条播種)を使用し、除草・中耕培土とも2回行うこと。
- 直進播種同時除草作業中は、地下の雑草の種を地上に移動させないため、ロータリー耕起は行わない。また、ほ場に設置した水糸がロータリー爪で切断しないよう、ロータリー中央付近の爪は外すこと。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- 畑作物における効果的機械的株間除草方式の開発改良
- 雑穀における有機農産物生産技術の開発
- 予算区分
- 県単、県令達
- 研究期間
- 2008年度
- 研究担当者
- 藤原 敏、武田純一(岩手大学農学部)