研究所トップ≫研究成果情報≫平成20年度
産肉性、抗病性、繁殖性に優れた新しいランドレース種の系統造成
[要約]
産肉性、抗病性、繁殖性を主な改良形質とするランドレース種の系統造成を実施し、平成21年度から育成雌を配布する。
[キーワード]
豚、ランドレース種、系統造成
[担当]
宮城畜試・種豚家きん部・原種豚チーム
[代表連絡先]
電話0229-72-3101
[区分]
東北農業・畜産
[分類]
技術・普及
[背景・ねらい]
平成元年に完成した系統豚ミヤギノ(L)を利用した肉豚(LWD)が年間約6万頭生産され、このうち約3万頭が銘柄豚ミヤギノポークとして販売されている。しかしながら、ミヤギノは、系統豚の寿命とされる10 年を上回る年数が経過し、近交係数の上昇により、繁殖成績の低下や薄脂による格付け低下が散見されるようになった。
本試験ではミヤギノをベースに国内外の優良種豚や国内の系統豚の利用により、産肉性(一日平均増体量、背脂肪厚)、抗病性(マイコプラズマ性肺炎への抵抗性)、繁殖性(総産子数)に優れた新しい系統を造成する。
[成果の内容・特徴]
- 第5世代雌雄平均で30〜105kg一日平均増体量(DG)は図1に示すとおり903.9g/日、体長1/2部位105kg時の背脂肪厚(超音波測定)は21.5mmである。
- 世代を経るにつれマイコプラズマ性肺炎病変スコア(MPSスコア)が低くなり、遺伝的能力が高まる(図2)。
- 第4世代の繁殖成績は、平均総産子数で11.7頭である。前ミヤギノ完成世代の10.7頭と比較し1頭増で、離乳頭数では約2頭の増である(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 発育性、抗病性、繁殖性に優れた系統豚として、平成21年夏頃から県内養豚農場に育成雌の配布を予定している。
- マイコプラズマ性肺炎への抵抗性に対する遺伝的能力を最大限引き出すためには、日頃の衛生管理の徹底や飼養環境の整備が必要である。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- ランドレース種系統造成試験
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2003〜2008年度
- 研究担当者
- 鈴木英作、門脇宏、柴田千尋