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早期開花性セイヨウナシを利用した世代促進技術
[要約]
カンキツ由来花成制御遺伝子(CiFT)を導入した早期開花性セイヨウナシの花粉を用いて、播種後1年以内に早期開花するF1(第1世代)を獲得することが出来る。世代促進は、1世代の促進が2年以内に可能で、第2世代の獲得を最短3年以内に行うことができる。
[キーワード]
セイヨウナシ、形質転換、早期開花性、CiFT 遺伝子、世代促進、育種
[担当]
山形農総研セ・農生技試・バイオ育種科
[代表連絡先]
電話 0237-84-4125
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
研究・参考
[背景・ねらい]
バラ科果樹であるセイヨウナシは、実生から開花・結実までに長期間を要し、果実形質の評価や世代促進に多大な労力がかかる。そこで、花成制御遺伝子(CiFT )を導入した早期開花系統を利用した世代促進技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 「バートレット」に早期開花性「ラ・フランス」CiFTno.6 の花粉を交配し得られたF1(第1世代)のうち、導入遺伝子が遺伝した個体の多くは、播種後1年以内に開花する(表1、図1a)。
- 早期開花したF1(第1世代)は、交配することで結実し、発芽能力のある種子(第2世代)を獲得できる(表1、図1b、1c、1d)。
- 早期開花したF1(第1世代)を花粉親として、鉢植えの「バートレット」に交配することで、同様に第2世代を獲得できる(図2)。
- 1世代に要する期間(第1世代種子獲得から第2世代種子獲得まで)は、2年以内である(図2)。
- 早期開花系統当代の交配から、第2世代の獲得までに要する期間は3年以内である(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 早期開花系統および得られた次世代は、遺伝子組換え体のため、野外での栽培のためには、別途安全性評価が必要である。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- セイヨウナシの世代促進技術の実用化
- 予算区分
- 国庫
- 研究期間
- 2003〜2008 年
- 研究担当者
- 高品善、松田成美、五十鈴川寛司、池田和生、遠藤玲子、高橋由信、黒坂美穂