研究所トップ≫研究成果情報≫平成23年度
「りんご黄色品種青森県標準カラーチャート」の作成と収穫指標の設定
[要約]
黄色品種の普及定着と評価アップを図ることを目的に、青森県内で生産量が増加している「きおう」、「トキ」、「あおり15」(星の金貨)、「シナノゴールド」に共通して利用できるカラーチャートを作成し、収穫指標を設定する。
[キーワード]
リンゴ、黄色品種、表面色、カラーチャート、収穫指標
[担当]
青森産技セ・りんご研・品種開発部
[代表連絡先]
電話0172-52-2331
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
近年、有望な黄色系新品種が多数登場し、流通関係者や消費者の評価も徐々に高まっている。黄色品種は着色管理が不要なため、大幅な栽培労力の削減が期待できる。一方で、黄色品種は収穫時期の判断が難しく、流通する果実品質のバラツキが指摘されるようになった。そこで、適期収穫による良品生産を促し、黄色品種の普及定着と評価アップを図ることを目的に、青森県内で生産量が増加している「きおう」、「トキ」、「あおり15」(星の金貨)、「シナノゴールド」に共通に利用できるカラーチャートを作成し、これら品種の収穫指標を設定する。
[成果の内容・特徴]
- 表面色指数1〜6の6段階からなるカラーチャートを(財)青森県りんご協会と共同で開発した(図1)。
- 本カラーチャートを用いた表面色の判定は、果実の赤道部の陽向面と陰向面の中間部分で直射日光を避けて明るい日陰で実施する。ただし、「きおう」の収穫始めは果実上部(果実を真上から見た部分)で判定する(図2)。
- 青森県りんご生産指導要項で、収穫時の指標として示している食味指数(「きおう」:3、「トキ」、「あおり15」:4、「シナノゴールド」:3.5)を基準としたカラーチャートの表面色指数は「きおう」では2、「トキ」と「あおり15」では4以上、「シナノゴールド」では5と定めた(表1、2)。
- 収穫の判断は、カラーチャートの指数のみに頼らず、食味なども考慮し、総合的に行う。
[成果の活用面・留意点]
- 普及対象:りんご生産者、普及指導員、JA営農指導員、市場関係者、販売関係者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:青森県内全域、5,000部作成
- その他:「りんご黄色品種青森県標準カラーチャート」は、共同で開発した(財)青森県りんご協会で1部300円で販売している。配布制限はない。
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名
- りんご新品種の登録と普及に向けた栽培特性の把握と生産技術の確立
- 予算区分
- 県交付金
- 研究期間
- 2009〜2011年度
- 研究担当者
- 工藤剛、深澤(赤田)朝子、後藤聡、今智之
- 発表論文等
- 深澤(赤田)ら(2010)東北農業研究63:109-110. 2010 リンゴ黄色品種「青森県標準カラーチャートの作成」と利用方法