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11月上旬に成熟する大玉で多汁のリンゴ新品種「岩手5号」

[要約]

リンゴ新品種「岩手5号」は11 月上旬に成熟する晩生品種である。樹姿は直立と開張の中間、樹の大きさおよび樹勢は中程度で、果皮色は薄紅色から鮮紅色、「ふじ」より大玉で果汁が多く、蜜も入り食味良好である。

[キーワード]

新品種、リンゴ、「岩手5号」、晩生種

[担当]

岩手農研セ・技術部・果樹研究室

[代表連絡先]

電話0197-68-4419

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

本県で栽培されているリンゴ品種は「ふじ」に偏重した構成となっている。県北部・高標高地帯では「ジョナゴールド」の熟期が遅れることや「ふじ」の小玉化が問題となっており、また、沿岸部などからは大玉の優良品種や多様な晩生品種が要望されている。

そこで、品質ならびに栽培特性に優れた岩手オリジナル品種を開発するために、晩生種の品種多様化を図った選抜および育成を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. 「ふじ」×「ゴールデンデリシャス」(1989 年交配)
  2. 特性概要
    1. 栽培特性
      1. 開花期は、「ふじ」と比べて開花始が1 日遅く、満開はほぼ同時期である(表1)。
      2. 熟期は育成地(北上市)において11 月上旬である。「ジョナゴールド」より遅く、「ふじ」よりやや早い(表2)。
      3. 樹姿は直立と開張の中間、樹の大きさおよび樹勢は中程度である。
    2. 果実の特性
      1. 果実の外観は形状が長円、大きさは原木で350g 程度、現地試験の高接ぎでは480g程度と大玉である(表2図1)。
      2. 果皮色は薄紅色から鮮紅色で全面に着色、縞がある(図1)。さびの発生は少ない。
      3. 肉質は「ふじ」に似ているが果汁はふじよりも多く、程よい香りがある。また、果肉には蜜が入る(表2)。心カビの発生は少ない。つる割れは年によって発生する。
      4. 糖度は13.2〜16.1%(Brix.)、酸度は0.37〜0.55g/100ml であり、甘酸適和で食味が良好である(表2)。
      5. 収穫果の日持ち性は、硬度が12 ポンドを下回り食味が劣ることから普通冷蔵で約2ヶ月程度と「ふじ」より短いと推察される(表3)。
      6. 3 倍体品種(S1S3S9)であり受粉樹にならないため、受粉条件に留意して植栽する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象 リンゴ生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等
    岩手県では県内限定普及とする。県内での普及予定地は県内全域で、特に沿岸や県北で「ふじ」の小玉化が懸念される地域とする。
    普及見込み面積は30ha(2016 年目標値)である。
  3. その他
    詳細については、岩手県農業研究センターの平成22 年度試験研究成果「品種 りんご 11 月上旬に成熟する大玉で果汁の多い赤色品種「岩手5号」」を参照する。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
いわて特産中晩生種の交配育成
予算区分
県単
研究期間
1989〜2010 年度
研究担当者
畠山隆幸(岩手農研セ)、小原繁(岩手農研セ)、高橋司(岩手農研セ)、長ア優子、浅川知則、河田道子、佐々木仁、鈴木哲、石川勝規、佐々木真人、奥平麻里子、三浦晃弘、久米正明、佐藤秀継
発表論文等
岩手県「旧系統名岩手5号」品種登録出願2011 年12 月28 日(第26637 号)